火葬場跡

575: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 2006/01/31(火) 17:42:16 ID:4CCDlt3Y0

知り合いの話。
彼の実家の裏山には、もう使われていない火葬場跡がある。 
現在はかなり崩れており、僅かに泥壁の一部が残っているだけだ。 
彼のお祖父さんの時代までは、実際に使用されていたそうだ。

お祖父さんが言うには、小屋にはなぜか塩壺が置かれていたらしい。 
荼毘に付す時、夜中に火葬場を覗く輩がよく出たそうで、そやつに塩を 
撒いて追い払うためなのだという。

「寝ずの番していた時に、儂も何度か見たなぁ。 
 気がつくと、キラキラしたでっかい眼だけが、入口から覗き込んでるんだ。 
 強いて言えば猫の目に似てたかな。本体?見えたことないよ」

何が焼き場を覗いていたのかは、誰にもわからないままである。

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