みの子

884: 本当にあった怖い名無し 2006/02/22(水) 21:58:19 ID:rFC0X0Xx0

自分が中一の頃の話です。
自分はよく山の近くに住んでいる祖父母と共に登山をしていました。 
その日も祖父母と共にわらびを取りに、登山をしにいきました。

自分はこの山に慣れていたので、いつも祖父母と手分けして別々の場所でわらびを取っていました。 
スーパーの袋いっぱいにわらびを取った頃くらいでしょうか。 
そろそろ戻ろうか・・・そう思ったときでした。 
この間(三日前)来た時にはなかったのに新しく道みたいなのができている。 
すげえ!この前まで無かったのに!好奇心に負けて自分は道を進んでいきました。

その道を進み始めて10分くらい経ったでしょうか。自分はあることに気づきました。 
おかしい。本来なら聞こえてくるはずの小鳥のさえずりや虫の音、樹木の揺れる音すら聞こえない。 
なんだか恐ろしくなってきた自分は、道を引き返そうと思いました。と、その時でした。 
赤い着物を着た女性が道の先に立っている。 
ヤバい!本能的にそう思った自分は走って引き返そうと後ろに振り返りました。 
唖然としました。振り返ったら目の前に先ほどの女性が立っているのです。 
美しく整った顔立ち、ギラギラと光った目。美しいものの、人間ではないといった印象を受けました。 
その女性は自分の顎を指で軽く上げ、目を覗き込んできました。もう恐怖の絶頂です。ガクブルです。 
どのくらい経ったでしょうか。その女性は残念そうな顔をして自分の頭を撫で、こう言いました。 
「同胞は喰えぬ・・・」と。「喰う」という言葉にビビった自分は、ダッシュで道を戻りました。
一度振り返ったみたのですが、その女性はもういませんでした。

その後もとの道に戻ってこれた自分は、祖父母に今まで起きた事を全て話しました。 
祖父母は驚いて「○○(自分の名前)は主に会ったのか!?」と自分に聞いてきました。 
祖父母の話よると、この山には古くから山の主が住んでいて、時折山に来た子どもをさらっては喰っていたそうです(子どもだけらしい)。 
祖父母は話を全て自分に話した後、祖父がポツリと
「○○はみ(何のことなのかわからなかった)の子だから助かったのかもなあ。」と言っていたのが今でも心に残っています。

ちなみにもうその道はなくなっていました。「みの子」ってなんだよじっちゃん・・・

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