478: 全裸隊 ◆CH99uyNUDE 2006/06/03(土) 07:20:20 ID:CMXV1/yz0

大雨で溶けるように崩れた斜面に、人骨が散らばっていた。 
崩れた地面の元をたどれば、頭蓋骨だけで、百近くあった。 
巨大な穴を掘り、そこへまとめて埋葬したようだった。 
埋葬じゃないよ。 
彼は言う。 
あれはね、生き埋めですよ。 
しかも、まとめて一気に百人近い人間を埋めたんですよ。
近隣ではかつて、よく分からない建物の遺構が見つかったが、 
不便すぎて調査もままならず、捨て置かれた。

地元の有志が集まり、露出した大穴から骨を拾い集めた。 
昔は庄屋を務めた旧家の旦那が、一番熱心に拾い集めた。 
なんとなく、頭蓋骨を並べ、同じ種類の骨ごとに並べると、 
不自然な感じがしてきた。

右足の骨が、ひとつも出てこない。 
骨盤の股関節部分、右足の付け根はどれも傷ついたり 
砕けたりしていた。

やがて、朽ちた革袋が出てきた。 
袋は簡単に裂け、黒っぽい小片が大量にこぼれた。 
朽ちた鱗のようなそれを、誰かが爪だろうと言い出した。 
おそらく、三本の手足から剥いだ爪だ。 
右足を切り落とし、爪を剥ぎ、大穴に埋めたらしい。
作業に参加していた皆が、同じことを考えていた。 
昔の庄屋の家では、代々、右足に障害を負うものが多い。 
先天性の障害もあった。 
事故によるものもあった。

話しながら、彼は、気味悪げにあたりを見回した。 
右足の骨は、とうとう一本分も出てこなかった。

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