某キャンプ場

358: 本当にあった怖い名無し 2006/07/16(日) 03:57:07 ID:7GmFvdr10

クライマーがよく集まる某キャンプ場での事。 
俺ら2人が行ったのは冬季休業間近の12月上旬でした。 
さすがに真冬にキャンプする物好きは少なく、俺ら以外は遥か遠くに 
3~4張のテントがあるのみ。 
雪もちらつく寒さの中、夕食と焚火を楽しみ、テントの中へ。 
夜中に寒さで目を覚ますと、ガスバーナーに1分程火を付け、テント内を 
暖め、また寝袋にもぐり込む。 
深夜3時頃、連れの女が人声で目を覚ましたらしい。 
テントの外で数人がずっと会話をしているらしく、恐怖を感じた彼女は 
熟睡している俺を起こそうとしたが起きなかったと言う。 
朝になって俺は初めてこの話を聞いた。

俺らがテントを張った場所はちょっと隔離された土地で、俺らがそこを 
確保した以上、普通は他者が通り抜けたり入り込んだりしない(と思われる) 
にもかかわらず、真冬の深夜3時頃に他人のテント脇で誰かが会話をすると 
いうのも不可解だと思った。外はマイナス10度以下。 
本当かよ?などと言いながら、まあ何かを盗まれたわけでもなく、俺自身は 
あまり気にもせず、予定通り帰りの支度を始めた。

キャンプ場自体は近くの山荘が管理しており、連れが清算をしに行った。 
管理人は連れに「夜は寒かったでしょう?」などと言葉を交わし、もちろん 
深夜の出来事など話さなかったらしいが、管理人が突然言った。 
「この前、男女2人がテントの中で死んだんですよ、ガス中毒で」 
「器具の扱いには気をつけて下さいね」と。 
死んだ場所ははっきりと言わなかったらしい。 
清算から戻り青ざめた顔の彼女にこの話を聞かされた時、深夜の出来事を 
想像すると、俺もさすがに気味の悪さを感じた。 
テント場に残り酒を撒き、キャンプ場を後にした。

前の話へ

次の話へ