赤い布

54 :本当にあった怖い名無し:04/09/11 22:33:48 ID:G0aWQwjp
小学校四年か五年の時の話。 
夏休みに林間学校みたいなのがあって、近くの山の中にある研修施設に泊まったんだけど 
その日私はどうしてもお風呂に入りたくなくて 
具合が悪くてお風呂に入らなかったもう一人の子と一緒に 
大部屋でみんなが戻ってくるのを待っていた。 
大部屋の窓は開け放されていて、そこからは風呂場へ行く渡り廊下とトイレがよく見えた。 
トイレの窓は開いており、トイレの個室が丸見えだった。 
個室のドアは手前に引くようなつくりで全部閉まっていた。 
その時私は、閉まっている個室のドアに赤い布が引っ掛けてあるに気がついた。 
なぜか私はそれを褌だと思い込み(当時祖父は褌をはいていて見慣れていた) 
一緒にいた子に「あそこに赤い褌があるよ」と言って笑っていた。 
ずっと見ていると、赤い褌は閉まっている個室の中にするすると引っ張られていく。 
私たちは「中で褌はいてるの誰だろう。誰が出てくるかここで見ていようよ」 
と、じっと個室のドアが開くのを待っていた。 
しかし赤い布が個室の中に消えて、いくらまっても誰も出てこない。 
そのうち風呂に入っていた子たちが上がって、渡り廊下に姿をあらわした。 
私たちは窓から「トイレに誰かいるか見てほしい」と叫んで、友人にトイレを確認してもらった。 
個室を全部開けて見て貰ったけど、誰もいなかった。 
あの赤い布は一体なんだったんだろう。 

その夜、クラス全員で大部屋で寝ていたら、なんか煙たくて目が覚めた。 
私は「先生がもう朝食の準備の為外で火を起こしてるんだ」と思いまた寝た。 
友人は「蚊取り線香の焚き過ぎ」と思って、あまり気にしなかったそうだが 
どうにもこうにも煙たすぎる。再び起きたら目の前が煙で真っ白になっていた。 
さすがにこれはおかしいと数人が起き出し、あたりを見回すと、 
私と頭合わせで寝ていた子の布団が足元から燃えていた。 
誰かが寝ぼけて蚊取り線香を蹴飛ばしたらしい。 
すぐにその部屋で一緒に寝ていたPTAの親がバケツを持ってきて火を消した。 
幸い布団少々と扇風機と友人のスポーツバッグの端の方が焦げただけで、大事には至らなかったが、 
私はトイレの赤い布の事を思い出し、なんか気持ちが悪かった。 
今、その研修施設は客が来なくなったので廃業し、取り壊されている。 

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