山代@特選怖い話:2018/08/25 23:59 ID:lgRDl4U2
最近あった不思議で怖い話。
ここ3.4年くらい雨の日も暑い日も、
欠かさず夜23時頃からウォーキングを行なっている

そのウォーキングコースの途中には全部で4つの神社ががあるんだけど、
毎回一つずつ上まで登ってお参りをしながら歩く

そのコースの歩いて大体半分くらいの距離にある3つめの神社は、
近くに街灯があり、お参りする際神社の社?の中が見えいる

ウォーキングを始める前、たまたま私用で近くまで行った際、
初めてお参りした時、社の中には白くて大きな皿が神社に向かって真っ正面の奥の方に置いてあり、
内心「しっかりした良い神社なんだなぁ」
と思いウォーキングコースにその道を選んだ理由の一つでもありました

毎日お参りしているので、ある特定の状況の場合その神社が変なことに気がつきました
雨が降り少し肌寒い日
それが普段と違う状況のようで
雨が降り肌寒いなと感じる日は何故か
神社の社の中にある大皿が反対側をむいているのです

雨が降り生暖かいジメジメした日なんかは変わらず向かって正面を向いています
寒いだけでも変わらないようで
やはり雨と肌寒さがないと皿には変化がないようでした

気になってしまいその変化があった次の日の朝神社に行ってみたら、
そこには正面を向いた白い大皿があった

昨夜は確かに反対を向いていたはず、、
神主さんか神社を管理している人が、何かある際に毎回向きを変えているのかとも思ったけれど
夜24時過ぎから朝5時半くらいの間で向きを変えに来るのもおかしな話だなと思い首を傾げていた

しばらくの間皿が反対を向いている日がないなぁと考えながら夜のウォーキングに出かけた
夏なので蒸し暑くジメジメして嫌だなぁ

と思いながら件の神社の石段を登っていると
雷が鳴ってポツポツと雨が降ってきた、
早くお参りを終わらせて近くのコンビニで雨宿りしようと石段を駆け上がった所で
雨がバケツをひっくり返したように強くなった普段は雨が降っていれば傘を持っていくがその日は晴れていたので傘は持ってきていなかった
参ったなぁとお参りをして雨宿りさせてもらうことにして社の屋根の下に入った
すると社の中の方から板の間を歩く足音がした、びくりっとして振り返るとそこには小柄なお爺さんがいた
街灯の明かりで上半身あたりが照らされ
服装は黄土色?ベージュの色をした神主さんが着るような袴を着ていた

突然現れたお爺さんに私が硬直しているとお爺さんが「今晩は、嫌な天気だねぇ」と言ってきた、
私は咄嗟に「こ、今晩はそうですねぇははは」と詰まりながらも愛想笑いをした
お爺さんは「こんな天気だし中に入りなさい」と社の中に私を案内した

私はビクビクしながらも返事をしてお爺さんの後に続き中に入った
社の中はそれなりに広く薄暗かった
社に入ってすぐお爺さんが中にある蝋燭に火を灯した
ぼんやりと照らされる室内、端っこの方は暗くて見えないが天井には立派な絵が描かれていた
絵を眺めているとお爺さんがお盆にお茶を二つ持って私の近くに座った
「さ、座って茶でも飲んでやり過ごしましょう」と私にお茶を進めた

私はお礼を言ってお茶をいただくことにしてふとあの皿が気になった
辺りを見回すが近くに皿はない
さっきまではあったはず変化はなく正面を向いていたのを確認していた
しばらく無言の時間が過ぎた辺りで
お爺さんが口を開いた「お前さん、毎日ここにきているねぇ、何か願い事でもあるんかい?」と聞いてきた
私は「いえ、近くを毎日通るのでついでにお参りをさせてもらってるんです、健康に過ごせますようにって」
はははと笑いながらそう答えるとお爺さんは「ほうかぁ」て頷いた
そこで外を見ると雨が止んでいた
なんとなく腕時計を見ると時刻は3時過ぎを指していたやばいゆっくりし過ぎたと慌てて立ち上がりお爺さんに
「すみません時間が遅くなってしまったので帰ります」と言ってお爺さんにお茶と雨宿りのお礼をした

お爺さんは「慌てずに気をつけて帰るんだよ」と言って私を見送った
社の外に出て振り返りお爺さんに挨拶しようとすると社の中は真っ暗で街灯の明かりでいつもある白い大皿が向かって正面を向いているだけだった
あれ?さっきまでなかったのに不思議に思いながら社の戸に手をかけて引くと開かなかったよく見ると鎖と南京錠で外から鍵がかけてあった
え?なぜ?さっきまで、、、とパニックになりながら街灯に照らされた社の皿を見た皿のすぐ下あたりに歌舞伎等で使われる翁のお面が落ちていた
私は硬直し少しして我に帰るとさっさと家に帰った
それからまたその日の夜もウォーキングに出かけて件の
神社にお参りに行ったものの特に変わりなく社には鍵がかかっていて中をのぞいてもお面なんかは落ちていなかった
それからもウォーキングに出かけて雨が降り肌寒い日は相変わらず何故か皿は反対側を向いている

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