ドライブ

619 : 本当にあった怖い名無し[sage] 投稿日:04/09/01 13:12 ID:3aXPzoCp [1/1回]

男が深夜の高速道路を走っていた。 
彼女が助手席に乗っていて、一緒に目的地までドライブしていた。 
トンネルが多くなる山道のあたりだったと思う。 
2人はそれまで和やかに話していたが、話題が途切れた。 
ふと彼女が男の方をみると、男はなにやら必死の形相をして運転している。額には無数の脂汗がにじんでいる。 
「どうしたの?」と彼女は心配になって話しかけるが、ゼイゼイと喘ぎ声をあげるばかりで、全く聞く様子も無い。 
それどころか、男の運転する車はどんどんスピードを下げ、後ろを走る車に次から次へと追い越されていく。 
そんな不可解なとろとろ運転がしばらく続き、車はようやく目的地付近のランプを降りた。 
降りた途端、「ふう・・」と胸を撫で下ろす男。彼女もほっとしながら再び聞いた。一体どうしちゃったの? 
いつからこんな迷惑なとろとろ運転するようになったの?びびっちゃったの?と。 
男の答えを聞いて彼女はぞっとした。 

前を走る車の後ろに、白い服を着た長い髪の女性が張り付いており、こちらを振り返って男の方を見ていた。 
しかも、男がスピードを落としてその車から離れても、 
自分たちを抜いていった別の前の車の後ろには、同じ女性が張り付いていた。 
追い越されても追い越されても、その女性は別の車の後ろに張り付いていたそうだ。 
高速を降りると、その女性は見えなくなったらしい。 
彼女には何も見えていなかった。男だけに見えていたのだろう。 

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