見つからなかった包丁

603 :本当にあった怖い名無し:04/08/24 18:44 ID:yhQnKRwN
別に心霊現象でもないし、他の人が聞いても大して怖くないかも知れませんが、 
俺が今までで一番印象に残ってるほんのり恐怖実体験。 

大学に通ってた当時、俺はアパートを借りて1人暮らしをしてました。 
そのアパートはよくある1LDK8畳の部屋で、はしごを使って登るロフトがついており、俺はそこを万年床にしてました。 

1人暮らしを始めて半年ほど経ったある日、いつも通り自炊しようと台所にたったのですが、 
いつも置いてある大小2本の包丁の小さい方が、その日に限ってありませんでした。 
「アレおかしいな?」と思いながら台所中の棚や洗った食器を入れておくカゴ、流し台をくまなく探したのですが結局見つかりませんでした。 
仕方ないのでその場はもう1本の大きい包丁で調理したのですが、メシ食い終わった後もずっと 
「何処いったんだ?あの包丁は」と考えながら台所を探し続けていました。 

小1時間探して結局見つからず、 
「まーもういいや」と諦めて、ロフトを登って電気消して毛布捲って布団に潜ったその時です。 
首筋にひどく冷たい感触を受けました。 
ビックリして飛び起きて電気つけたら 

マクラの陰にあったんですよ 見つからなかった包丁が。 

ゾッとしました。ありえないんです。こんなことは。 
使い終わった包丁はいつも同じ場所に片付けるから、包丁が台所以外にある、なんてことは考えられないんですから。 
そもそもこんなとこに包丁持ってきた覚えが無いし、普通そんなことしないし。 
「誰かが勝手に部屋に入ったか?」と思って窓とドアをチェックしましたがそんな形跡はなし。 
部屋を荒らされてもいないし、貴重品だって無くなってないからその線もどうやらなさそう。 
「すわ、心霊現象か?」とも思いましたがアパートは新築で俺が初めての入居者。近所に怪しげなものがあるわけでもなし。 

腑に落ちませんが、うっかりロフトに包丁持ったまま、なんか用を足しに行って、うっかり包丁をそこに置き忘れて、 
それをド忘れしていた、という脳内結論に結局は達しました。(かなり苦しいですが) 
以来特に不可思議現象が起きるわけでも無し。結局それだけのことだったんです。 
ただ、うっかり俺はとんでもないことをやらかしてまうかもしれないな、という教訓だけが残りました。 

おしまい 

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