男の先生に聞いた話

926 :yumi ◆L2Emu/usCg :04/07/22 15:17 ID:8+cwHWp6
かきます。 

小学校のとき、男の先生に聞いた話です。 

先生は、学生のときある宿に一人で宿泊しました。 
(バイトだったか旅行だったかは忘れた) 
あまり立派なお宿ではなかったような感じ。 

その夜、布団をかぶって寝ていると 
急に目が覚めました。 
胸騒ぎがしたのです。 
そして、なぜか遠くから 
「オーイ、オーイ」と誰かを呼ぶ声と、 
ざっくざっくと何かを掘る様な音が聞こえます。 
声は、先生の部屋にどんどん近寄ってきます。 

こんな夜中に大きな声で呼ぶ人なんて 
良く考えればおかしいのですけど、先生は 
妙な恐怖感から布団を頭からかぶりました。 
隠れなくてはいけないと感じたのです。 
頭ではなく感覚で、この世のものでないと感じたのかもしれません。 

 そのうち、その声は先生の部屋のふすまを開け、 
中に入って来ました。 
そして「オーイ、オーイ」と 
布団の周りをザックザックと掘りながら呼び続けています。

恐怖で布団の隙間から先生が、その声の主を 
覗き見しようとしたとき、 
子供の声で 
「みてはいけない!」と言われたそうです。 

 それから、声はいつの間にか遠のいていきました。 
朝になって、先生がお宿の人に聞くと、 
この辺で土砂崩れがあり、子供が土に埋まってしまった。 
父親は半狂乱で「オーイ、オーイ」と呼び続けながらスコップで土を掘り続けたそうです。 
子供は残念ながら助からず、父親も悲しみで狂ったまま死んでしまったそうです。 

 子供の頃は、普通に怖い話でしたが、 
今、親になった身になると、なんとも悲しい話です。 
子供を失った父親がどうか成仏しますように・・・。 

おしまいです。 

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