怖い話の中の悲しみ

954 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/01/28 06:33
洒落にならない程かどうかは人によると思うけれど、怖いっていう 
感覚の中に少しだけ「悲しみ」が交じっていると、私はとっても怖い。 
生きている人も「凄い形相」をするけど、それは裏切られた悲しさから 
だったりするでしょ。 

大変申し訳ないけど、きっとこの話は既出でしょうね。 
私は「まんが日本昔話」で見た「ふとんの話」がとっても怖い。 

両親に先立たれ、借金取りにふとんまで取り上げられた幼い兄弟が 
ちょうど今頃の寒い時期、何も無いボロ屋で抱き合いながら凍死する。 

取り上げられたふとんは旅館に引き取られるが、そこに泊まった旅人が、 
ある晩そのふとんからかすかな声がするのを聞く。 

「兄さん寒かろう」 
「おまえも寒かろう」 

それは僅かでも暖を取り合おうと、抱き合いながら息絶えた兄弟が最後に 
交わした言葉 

初めてそれをテレビで見たとき、思わず流した涙は兄弟愛に対する 
感動などではなく、純粋な恐怖からでした。 

恐怖を克服して深夜のトイレから戻り、やれやれと布団に包まったときの安堵感。 
しかしこの話を知って、それすらも取り上げられてしまったと感じた。 
怨念はいろんなものに憑くようですが、何も最後の拠り所であるふとんに憑かんで 
くれるなよと思ったものです。

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