放屁
70 雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM sage 2013/12/25(水) 20:11:34.55 ID:5UaHI/Q80
先輩の話。
秋口の山に、単独で入っていた時のこと。
そろそろ寝ようかと、まだ新品だった一人用テントの中でシュラフを広げていると、
背後で聞き慣れた音がした。
放屁の音だった。
しかしその時、先輩は屁などしていない。
仰天している内に、やがてゆっくりと、しかし確実に、厭な臭いが迫ってきた。
「どこのどいつだ、俺のテントで屁をこきやがったのはっ!?」
我に返ると逆上してしまい、テントから勢いよく飛び出すと、中に風を送り込んだり、
周りの闇に向かって威嚇の声を上げたり、地面を転げ回ったりしたという。
「それ以上、変なことは起こらなかったけどな。
でもあの時の犯人、絶対に芋か牛蒡食ってたぜ、腹立つわ~!」
一発でいいから殴ってやりたかったと言う先輩の目は、正直怖かった。