迫り来る声
230 :雷鳥一号 ◆jgxp0RiZOM :2014/04/04(金) 19:30:07.43 ID:c0XRQdG+0.net
知り合いの話。
仲間に誘われて、山奥の心霊スポットへ肝試しに出向いたのだという。
そこは深い谷に掛かっている鉄橋で、深夜になると、下にある川の方から
叫び声が聞こえてくるのだと言われていた。
真っ暗な鉄橋の中程で車を停め、皆で橋に降りる。
「何も聞こえないな~」などと軽口を叩きながら煙草を吹かしていると、
やがて下の方から、人のものと思われる絶叫が聞こえてきた。
「本当に聞こえたよっ!?」
不気味ではあったが、人数が多いこともあり、割と落ち着いていたそうだ。
「いや、これオカルトじゃなくて、誰か実際に事故してるんじゃないか?」
誰かがそう心配し始めた頃、突然として絶叫がどんどん大きくなり始めた。
まるで叫び声の主が、川から鉄橋に向かって、かなりの勢いで空中を
上昇しているかのような聞こえ方だった。
皆で顔を見合わせると、慌てて車に乗り込み、即座に逃げ出したという。
「エンジン駆けっ放しでよかったよ。
後で詳しく調べたら、あの声、誰が聞いてても、下から迫ってくるんだと。
いや声の主と対面したヤツはいないよ、みんなその前に逃げ出してるから」
最後に彼は「軽い気持ちで心霊スポットなんて行くモンじゃない」と言って、
この話を締めくくった。