カエルの刑

328 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/08/26 22:06
信一少年は、両親の仕事の都合でその町に引っ越してきた。 
右も左もわからない町だったが、両親は外に出て友達をつくれと言った。 
信一が、近所の公園に出てみると、同じ年頃くらいの男の子と女の子が、遊んでいた。 
仲間に入れてもらおうとそばに寄ると、それはどこか目つきのするどい二人であったが、 
意外と簡単に仲間に入れてくれた。 

そのうち、男の子が信一に聞いてきた。 
「ねえ、犬の刑、猫の刑、蛙の刑、牛の刑、カラスの刑・・・どれがいい?」 
「え?」 
信一は少年の言っていることがわからなかったが、どうやら少年たちの間で、 
決まりごとのある遊びらしかった。 
信一が何と答えていいかわからずに困っていると、少女が、 
「あたし、犬の刑がいい」 

すると少年は、ナワトビの縄を持ち出し、少女の首に巻きつけると、 
少女をまるで犬のように引いて回った。 
少女は、苦しそうにしながら、「ワンワン」と犬の鳴き真似をした。 

次に少女が少年に聞いた。 
「猫の刑、蛙の刑、牛の刑、カラスの刑・・・どれがいい?」 
「猫の刑・・・」 

少年は、高い塀の上に登らされ、そこから少女に突き落とされた。 
少年は猫のように、身体を回転させて着地しようとしたが、 
回りきれずに肩から地面に落ちた。 
少年は痛そうにしたが、泣きそうになるのをこらえて、立ち上がった。 
「ニャア」 
少年は猫の鳴き真似をした。 

今度は少年が信一に聞いてきた。 
「蛙の刑、牛の刑、カラスの刑・・・どれがいい?」 
信一は、少し迷ったが、 
「蛙の刑・・・」と、答えた。 

翌朝、公園で大の字になって、 
腹を切り裂かれている信一の死体が発見された。

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