友達の家

792 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :04/02/29 06:58
私が短大生だったときのことです。(長文スマソ)

当時よくYとNという友達とつるんでいたのですが、
1年の後期頃からNのほうがたびたび学校を休むようになりました。
Nは私たちに、体調が優れないから、と言っていたのですが、
あまりにも頻繁に学校を休み、
旅行や飲み会などもドタキャンされることが多くなってきたので、
「体調が優れないっていうけど、本当にそれが理由なの?」と問いただしました。
出席してきたときにはいたって健康そうに見え、倒れたりすることもなく、
とても体が弱いようには見えなかったからです。

そして、しぶしぶNはうつ病であり、分裂ぎみでもあることを告白しました。
いつも明るく、気さくな性格で結構美人なNだったのでYも私もとても驚きました。

一度告白してしまってからは気が楽になったのか、
病院に入院してしまったときなど
見舞いにきてほしいと言われたりするようになりました。
(睡眠薬の飲み過ぎ、二階から飛び降りた等で、です)

Nはおそらく自分の病気の原因は両親にある。と言っていました。
Nの母親はけっこう重い分裂症で、遺伝したのでは、ということです。
それが原因なのか、Nの父親はNが学校を休み始めたころ、
愛人と行方不明になってしまい、精神的にNは耐えられなかったらしいです。

2年のある日、一週間くらい学校を休んでいたNから
「家に来てほしい。」
と連絡がありました。
聞けば母親が自殺未遂をおこし何日も入院しているので気が滅入っている
(Nの家ではあまり珍しいことでもないらしい)
ので遊びにこないか?と言う事でした。

事情が事情なので、Yと私はちょっとひきましたが断るわけにもいかず、
次の日Nの家に行くことになりました。
初めてだったので駅からの行き方を聞いて、近所のコンビニで待ち合わせ三人でNの家に向かいました。

Nの家は一軒家で、建売ではない昔からの家が並んでいる一角にありました。
が、玄関の向きが並んでいるほかの家と違って少し違和感があったように思いました。

具体的に説明はできないけれど、なんだか変わっていて、少し離れたところからも
おそらくNの家はあそこに違いないと私には変な確信がありました。

ドアを開けて入った瞬間の感想は、
「うわ~、空気が重くてなんか気持ち悪い!!」でした。
家の中全体が薄暗く、じめじめした感じがして、
できれば早めに退散したいなーと本気で思いました。
おそらく掃除もあまりしていないだろうし、家庭の事情も聞いていたので、
そんな風に思ってしまったのだろうとそのときは思いました。

ところが居間に通されてお酒を飲みながら話をしているうちに
なんだかとても居心地が良くなってしまったのです。
Yとどちらともなく、「もう遅いし、泊まっていくことにしようか」ということになりました。

次の日になりましたが私たちはグズグズとNの家にいました。
昼ご飯を食べ、夕方になってもまだ帰る気にならず、私は思わず
「もう一泊しちゃおうか?」とYに切り出しましたが、Yは
「私も泊まりたいけど、このあとどうしても休めないバイトがあるから帰らないといけない。」
とのことでした。
二人ともすごく名残惜しかったのですが、また近々来ることを約束して
(本当にまたすぐ来たい!と思っていました)Nの家を後にしました。

その帰り道
私「ねえ、Nの家なんか雰囲気悪かったよね?」
Y「うん。くらかったし、なんか変な感じがした」
私「あのさ、とくに階段のところ気持ち悪くなかった?」
Y「・・・実は私も上がった瞬間思った」
私「・・・いっせいのせで、何思ったか言ってみない?」
Y・私、『せ~の・・・女がいたよね?!』

その瞬間本当にぞ~っとしました。Nの家にいる間中頭にフィルターがかかっていたようでした。
あれほど気持ちが悪く帰りたかったのに、
家に入ってしまえば今度はいつまでもそこにいたいような気分になっていたことも、怖くなりました。

Yも私も何かを見てしまったわけではありません。
ただそんな感じがした。というだけですが、
NやNの家族が大変なことになっているのもあの時感じた何かが原因のような気がしてなりません。

その後、Nは学校にまったくこなくなり、今では音信普通になってしまいました。

これといった落ちもない長文になってしまい、スミマセン!
でも私とYにとっていまだに忘れられない出来事でした。

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