入ってきた子供

740 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :04/02/27 19:04
オカルト大好きなのに、いわゆる霊感とか霊体験とか、
心霊写真とか金縛りとかいった類のものに一切ご縁の無い私ですが、
先日初めてそういった体験をしました。

私は最近引っ越してきたワンルームマンションに、婚約者と暮らしています。
その日は1時過ぎに布団に入りました。
いつものように部屋の突き当たり、ドアから一番離れた位置に
敷いてある布団に、彼が壁側、私がドア側に並んで寝ます。
その日はバイトでとても疲れていて、あまり寝つきのよくない私もすぐ寝入ってしまいました。
普段はそのまま昼近くまで目を覚ますことなく寝てしまうのですが、その日は違いました。
真夜中、玄関のほうからガチャガチャと鍵を開けようとする音が聴こえ、目を覚ましました。
時計で時間を確認すると、3時過ぎでした。
私は、新聞配達にしては、いやに早いし、長いことドアの前にいるなぁ
などと覚醒しきっていない寝ぼけた頭で考えていました。

ドアがスーっと開き、何かが部屋の中へ入ってきました。
暗いので良く見えませんが、それは半ズボンを履いた、小学3年生くらいの男の子でした。
馬鹿みたいな話ですが、私はそのとき
「きっと上の階の子が帰ってくる部屋を間違えたんだな。
それにしても他の部屋と鍵が同じなんて、防犯がなってないな~」
なんてことをのんきに考えていました。
その男の子は私の方をじーっと見つめていました。
大友克洋の描く子供のような目ってわかりますか?
あんな感じの目で睨むのです。
私はぼんやりした頭で、どうもこれは変だぞ、と思い始めました。
「なんで午前三時にこんな小さい子が出歩くの?」
「なんでこの子は部屋を出て行かないの?」
「なんで施錠したはずの部屋の鍵が開くの?」
疑問が次々に大きくなり、パニックに陥った私は、
「部屋間違ってるよ!」と男の子に言いました。
もしかしたら声になってなかったかもしれませんが、
男の子はそれを理解したようで、部屋から出て行きました。
恐怖はそれほど無く、ただ出て行った安堵感からどっと眠気が来て
また眠りに落ちそうになったのですが、もう一度、目をしっかり開き、
そこに何もいないこと、時間は三時過ぎであったことを確認しておきました。
翌日そのことを彼氏に話し、鍵の確認をしましたが、
もちろん施錠はしてあったままだし、玄関の外に隠してあるスペアキーもそのままでした。
夢であったのかも知れませんが、夢にしてはリアルすぎる鍵を開ける音、
それに男の子の顔を思い出すと、いまさらながら恐怖に襲われます。

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