お別れ

26 本当にあった怖い名無し 2011/08/09(火) 23:53:29.92 ID:4nWi1W1u0
4年前に体験した話です。 
2007年の8月、釣好きだった祖父が危篤になった。 
しばらく前に脳内出血で倒れていつ死んでもおかしくない状態だった。 

祖父の影響で釣り少年だった私は山だと言われた夜一人居間でアユ釣りの仕掛けを作っていた、 
チモトが無くて結ぶのが苦手だったアユ針がその夜はなぜか沢山結べて作っては祖父にもらった針入れに入れていた。 

12時を回ったころ玄関の電話が1回鳴った。 
観に行っても履歴が無く「もしかしたら」と思った。 

5分ほどして祖父に付いていた父から少し前に祖父が息を引き取ったと電話が入った。 


今になって思うとあの夜は祖父が手伝ってくれていたのだと思う。 
(後日仕掛けづくりをしたらいくらやってもアユ針をあの夜ほどうまく結ぶことはできなかった) 

そして最後の電話でお別れをしたのだとも思う。 

大したこともないが自分にはとても大事だった話です。 

PS 
祖父の釣り道具はすべて自分が引き取りました。 
今でも現役で大切に使っています。 

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