夜中のテレビ画面

630 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/04/02 14:49
昔どこかの恐怖サイトに書き込んだ話ですが、チョロッと怖かった体験です。 

小学校三年生の夏休みのある日の夜中、 
ふと目を覚ますと部屋がほんのりと明るくなっているのに気がつきました。 
暗い部屋でテレビをつけたときのような明るさだったのですが、 
その時間には家族は既に寝ているはずだったので、 
「おかしいなぁ?」と思いながらテレビの方に目をやると、 
部屋には俺以外誰もいないはずなのに、何故かテレビがついていました。 

テレビ画面は真っ白なだけで、他には何も映っていませんでした。 
俺は「誰かつけっぱなしにしたのかな?」と思ったのですが、 
起きたばかりでボーッとしていたので、 
上体だけ起こして、何も考えずしばらく画面を見つめていました。 
一分くらい見つめていたでしょうか、そろそろ消そうかと起き上がろうとすると、 
白い画面の中心に、いつの間にか人差し指の先ほどの大きさの、 
小さな黒い点が現れていることに気がつきました。 
「なんだろう?何か始まるのかな?」 
そう思っていると、黒い点が徐々に大きくなっていきました。 
それは、二次元的にではなく、 
奥いきのある場所から、こちらに向かって大きくなっているように感じました。 
俺は気付くのにそう時間はかかりませんでした。 
黒い点は、人の形をしていたのです。 

いまいち状況が飲み込めず、動けないままでいると、 
それはどんどん大きくなっていき、細部がはっきりとわかるほど大きくなっていました。 
「お化けだ!」俺はそう思ったのですが、 
それは当時の俺が持っていた恐ろしい幽霊のイメージとはかけ離れていて、 
スーツにメガネ、七三分けのおっさんという、 
絵に描いたようなサラリーマンの姿をしていました。 
サラリーマンは、俺に向かって必死に身振り手振りで何かを伝えようとしているように、 
激しく動いていました。 
不思議なことに音は全く聞こえず、隣の部屋で寝ている兄貴の寝息すら聞こえていました。 

俺はそのあまりの間抜けな姿に恐怖を感じることができず、放心状態で見つめ続けていました。 
その間にもサラリーマンはどんどん大きくなっていき、 
気付けば画面の半分以上の大きさになっていました。 
しかし、意味もわからないうえに、ただ大きくなっていくだけなので、 
俺もいい加減に飽きてきてしまい、「もういいや、ほっといてねよう。」 
と布団に潜り込みました。 
次第にうつらうつらしてきて、まだ映っている画面を見ながら最後に見たものは、 
  
貞子のようにヌルリと画面から這い出てくるサラリーマンの姿でした。 

つまんない上に読みにくい文章を最後まで読んでくれてありがとうございました。 

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