雲梯

431 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ :03/03/24 00:18
大学生のころの話です。私は当時、音楽系のクラブのマネージャーを 
していまして、翌日にコンサートを控え、楽器の積み出しやスケジュールの 
最終調整などしていて、終電にやっと間に合うほど遅くなってしまいました。 
で、そのがらがらの電車の車内で本を読んでいたら、目の前を何かが通り過ぎ、 
何だろうなと顔を上げると、上半身だけの若いパーカーを着た女性が 
つり革をまるで学校とかにあるウンテイのようにして、その車内を移動しているのを 
見てしまいました。 
 一瞬、私はすごいひとだなぁと思っていたのですが、その女性は上半身しかないし、 
そもそもつり革に手が届くわけがありません。 
「やばいものがいる!」と思ったのですが、終電なので途中下車するわけにも 
いかず、びびっているしかありませんでした。その上半身女はむちゃくちゃ楽しいのか 
つり革を伝って私のいる車両を何度も往復もしていました。 
私が見回すと、乗客の何人かはその女性の存在に気づいているようで、 
 40か50ぐらいのスーツを着たおじさんが見上げて顔をしかめていました。 
私は最寄り駅に着いたのでさっさと降りましたが、 
あの後、どうなったのか、今でもふっと思い返すときがあります。 

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