仏像と猫

305 :本当にあった怖い名無し:2011/06/08(水) 14:26:28.20 ID:2pzVynet0
もともと寺社巡りとか仏像が好きだったので、
厄年の歳になった時、いろいろ調べてオーダーで仏像を作ってくれる仏師を探して、
私個人(名前入り)の、干支の守り本尊の小さな仏像を作ってもらった。
嬉しくて嬉しくて、用意した豆厨子に安置して、毎日お水とお線香を供え、手を合わせて、
悩みとか、その日にあったこととか、他愛もないことでも何でも話していた。

そうしているうちに、我が家には猫がいるんだけど、
いつからか豆厨子の横にちょこんと座って、手を合わせる私をジーッと見るようになった。
最初のうちは、仏像にイタズラしないように猫をどかしてたんだけど、
あまりにもそうするから、ある日、猫に「従者みたいだね」と言ってみた。
そうしたら猫が「当たり前じゃん」みたいな顔で「にゃむ」と短く返事したから、
面白くって、それ以降は猫をどかすことなく仏像に手を合わせるようになった。

すると、私が仏像に対して話す悩みや報告に、猫が返事をしてくれた。
愚痴っぽくなると、咎めるように低い声で「うなぁー」と鳴き、
悩みを話すと相槌を打つように「む、む」と短く鳴き(喉を鳴らしてる感じ)、
誰かに対して感謝の気持ちを話すとうなずくように「にゃむ」と鳴く。
本当に私の話している内容を理解しているようだったから、
仏像と(猫と)話すのがすごく楽しかった。

そのうちに、もしかして、猫は仏像の意思を私に伝えてくれてるんじゃないか?と
思えることがあった。
その頃、自分でもどうしたらいいのか分からない悩みがあったので、
いつものように仏像に(猫に)ずっと話していた。
そうしたら猫は、「どうすればいいのか」という私のつぶやきに対して、
仏像の鼻を近づけて、匂いをふんふんっと嗅ぐ仕草をしていたから、
もしやと思って「仏像様の意見を聞いてるの?」と聞いてみた。
そうしたら「にゃむっ」という歯切れ良い返事が。

その頃には「ダメ、悪い」場合は「うなぁー」で、
「良い、問題ない」場合は「にゃむ」だということは何となく分かっていたので、
猫が仏像様の意思を私に伝えてくれてるんだ!と思ってすごく嬉しかった。
今も毎日手を合わせて、愚痴っぽくならないように気をつけてる。
長文失礼しました。

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