スリーピング
881 名前:陸自(現職) ◆7bKeljT8EE :03/03/10 22:31
後輩が体験した話を書かせていただきます。
その後輩(Tとします)は、20名くらいの人数で演習場に訓練にきていました。
殆どの演習場には「廠舎」といわれる宿泊施設があります。
宿泊施設といっても、馬小屋に毛が生えた程度。幅が約6メートル奥行き20メートルくらいで
真中に通路があって、左右に分かれて縦に並んで寝る、という詰め込み式です。
皆、昼間の訓練で疲れていて、その日は早目に床についたそうです。
「ボスッ・・・」
建物の丁度、中ごろに寝ていたTは何かの物音で目を覚ましました。
すると入口付近でスリーピング(寝袋又はシュラフ)に入って寝ている隊員の上から
男がしゃがみ込んで、顔を覗き込んでいるのが見えました。
(・・・何をしとんのや?下の奴も上にのられて苦しゅうないんか?)
と、Tは不思議な気持ちで見ていました。
するとその男が、何かブツブツ言っているのが聞こえました。
「・・・違う・・・」
こう言いながら、次のスリーピングに移動しました。その時の踏む音が「ボスッ」という音の正体でした。
「ボスッ・・・違う・・・」、「ボスッ・・違う・・」と、順番にゆっくりと自分の方に近付いて来ました。
(嫌やぁー、嫌、嫌、来るなー)と、声にならない叫び声も空しく、その男は自分
のスリーピングの上にのしかかってきました。
「ボスッ・・・・・・お前か!!!」
その言葉を聞いたのを最後に、Tは気を失ってしまったそうです。
この演習場には、以前より曰く因縁話(詳しくは書けません場所が特定されますので)があり、
同行した班長が言うにはTが見たものは、おそらく娘を酷い目に遭わせられた怨念の仕業だろう
という事でした。
乱文・長文ご容赦を。また、歯切れの悪い表現でごめんなさい。