かくれんぼ

322 名前:晴蔵 :03/02/23 07:50
ぼくはかくれんぼをしていました。 
あだち君の家はとてもひろかったので 
2かいにかくれることはなしだよと 
あだち君はいいました。 

ぼくは3かいもれんぞくでオニになったので 
とてもくやしくてそのつぎににげんるばんになったとき 
ぜったいみつからないようにしようと 
2かいのせまいへやにかくれました。 

ゆうがたで、たいようのひかりでへやはきいろくなっていて 
ほこりがいっぱいでした。 

しーんとしていました。 

ぼくはかいだんをあがってすぐのそのへやの 
しょうじのうらにかくれていました。 
1かいから「もーいいかい」とよびます。 
ぼくは「まあだだよ」とはいえません。 

ちょっとしたら1かいがしずかになりました。 
みみをしょうじにくっつけても 
ぼくのひざがたたみにこすれてなるおとしか 
きこえませんでした。 

みんなはもうかくれんぼにあきてべつのことをしてあそびはじめたんだろうかと 
しんぱいになりました。 
時けいの音もとまったようなきがしました。 

へやのかんじにあわせてぼくはそれでもじっとしていました。 
ほこりをすいこまないようにゆっくりいきをすっていました。 

かいだんをあがってくる足おとがしました。 

そいつはぼくにきずかれないようにとてもゆっくりと 
かいだんをあがっているみたいでした。 

ぼくはわくわくしてまっていました。 
あしおとはもう2かいにいます。ぼくのいるへやにあしおとは 
ちかずいてきています。 
でもいつまでたってもしょうじにかげがうつりません。 
あしおとはまだきこえる。 

ぼくはだんだんこわくなりました。 
しずかなのがこわかったのです。おばあちゃんがよくいう 
もつけ がきたのだろうかとおもいました。 
あしおとがとまりました。 
だれかがきゅうにぼくのくちをてでおさえました。 
べろをゆびではさまれました。 

ぼくはよだれがだらだらたれました。 
いきができませんでした。 
だれもいません。 
みえないてが のどをしめます。 
ほこりがどいて てのかたちでした。 

1かいからうたこちゃんのこえがしました。 
「もーいーかーい」 
みんなのこえがしました。 
「もーいーかーい」 
ぼくのはなにいきがかかりました。 
「…まあだだよ…」 

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