669 名前:亨 :03/02/11 23:22
メモ機能使えないため連書きできません、
sageて書くのでタイムラグはご容赦ください。


母から聞いた自分が生まれる前の話。
家を増築することになったのですが、大工さんに怪我や病気が頻発し、
なかなか工程が進まず、なにかあるかもと、お坊さんに見てもらったそうです。
すると「中学生くらいの子供が怒っている」とのこと。
実家の前には踏切があるのですが、
以前そこで事故で亡くなった子だそうです。
そこで御祓いをする事になり、
亡くなった子の両親にも来ていただいたそうです。
しかし、その霊は思念が強すぎて成仏は難しいとの事。
とりあえずは怒りもおさまったし、
ご両親についていくから大丈夫という事になったそうです。
その後特に問題は発生せず、無事増築は終了しました。
最初、この話を聞いた時は恐かったですが、
その後何もなかったのでしばらくしてほとんど忘れていました。 

自分が中学生になり、中間テストの勉強のため夜更かししてました。
時計を見ると既に深夜2時をまわっていました。
そろそろ寝るかなと、電気を消し床につくと、
「トントン」とドアをノックする音がしました。
てっきり親が様子を見に来たのかと思い返事をしようとしたんですが、
声が出せませんでした。それどころか身動きひとつできなくなっていました。
金縛りに合うのはこれが初めてだったので、なにが起こったのか全くわかりませんでした。
「トントン…トントン」ノックはまだ続いてます。
すると少しずつノックの調子が変わってきました。
「トントン…トントンッ…ドンドン…ドンドンッ……ドンッドンッドンッ!」
そして…
「亨~…亨ぅ~…とぉおぉるぅ~!とぉおぉるぅぅぅぅ~!!」
という不気味な叫び声が激しくドアを叩く音と共に聞こえてきたんです。
僕はそこで気を失ってしまい、気づくと朝でした。 

その朝、家族にその話をしても誰も部屋には行ってないと言われました。
それから、自分の部屋では不思議な事が起こるようになりました。
金縛りにはしょっちゅう合い、変な声もしばしば聞こえるようになりました。
ドアに背を向けて昼寝している時に、首筋に氷をつけられた感触があり、
びっくりして振り返ると、青白い人の形の輪郭のみがみえるという事もありました。
さすがに、耐えられなくなり親になんとかしてくれと頼み、お坊さんを呼ぶ事になりました。
そして自分の部屋をみてもらったところ。
「血だらけの子供がドアの前ですごい形相で立っている」
というのです。
また、あの子が帰ってきていたのでした。
とにかく、その場で御祓いをしてもらい、
後日そのこの親のところへ報告に家族で出向きました。 

僕は初めて合うそのこの両親に挨拶し、
事の全てを話ました。すると…
「あなた、亨君ていうの…、うちの子間違えてしまったのね…」
「えっ…?どういう事ですか?」
「うちの子が事故に合った時、友達もその場にいたの。その友達が亨っていう子なの。
その子の話によるとね、うちの子線路に足が挟まって身動きできなかったんですって、
それで亨君に何度も助けを求めたんだけど、もう遮断機もおりていて恐くて動けなかったんですって。
亨君、お葬式の時泣きながら私にあやまってくれたの。
私はあなたが悪いわけじゃないから気にしないでっていったんだけど、
家の子が最後に言った言葉が忘れられないって。
「亨ーっ!どうして助けてくれないんだーっ!友達だと思ってたのにーーっ!」
って、あの子きっとあなたを友達の亨君と間違えてあなたの所にいったんだわ。
背格好も似てるし、ちょうど同じ年だし…。
ごめんなさいね、迷惑かけて…」
その話を聞き、恐さよりも悲しくなりました。
その後ご両親と共に本物の亨さんが家まで来て、
もう一度御祓いの儀式を行ないました。
本物の亨さんは涙を流してあやまっていました。
それからは何事もおこらなくなりました。 

長文、駄文失礼いたしました。
以上が僕が中学時代に起こった出来事です。
僕にとっては恐い話というより悲しい話なんですが、
ここには合うかなぁと思って書きました。
本物の亨さんはこの件があるまでは現場にきた事はなかったのですが、
それ以来、毎年命日にお参りしにきています。 

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