恨んでないよ

781 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/04/16(月) 06:04
ペット話ですが。
昔ノラ犬を拾って飼ってました。真っ白なメス犬で、「シロ」。
夜、母に「ゴミを捨ててきて」と言われて自転車の荷台にくくりつけ
ついでにシロも連れていきました。
シロはいつもの散歩コースをどんどん先に行ってしまって、私はその間に
ちょっと先の、通りの向こうのゴミ捨て場に立ち寄りました。

私がいないことに気付いたシロは探しに戻ってきて、通りのこっちの私に気付いて
私のところへ来ようと道路に飛び出しました。「あっ、ダメ!」と叫んだ時に
乗用車が突っ込んできて、目の前で跳ねられてしまいました。
パニックになった私はそのまま泣きながら家に帰ってしまって、母と
いっしょに戻った時は、シロはもう息絶えてました。

なんであのとき、傍にいなかったんだろう。まだ生きていたかもしれなかったのに
最期を看取ってあげられたかもしれなかったのに…と、ずっと後悔していました。

その年の夏。居間で父とTVで高校野球を見ていた時、ふと開けっ放しの窓に
シロの気配がしました。庭に続くサッシの板の間に、鎖の届く所まで来て
窓があいてれば覗いていたんです。その時、板の間に爪が「カツッ」と当たる音と
ハアハアという息遣いが聞こえました。
実はその一瞬、私はシロがもういないことも忘れていて「ん?なに?」と
振り返っていたんです。
もちろんそこにはなにもいませんでしたが、次の瞬間に「あっ!」と
泣きそうになりながら、部屋にいた父に
「お父さん、今、シロが帰ってきた…」と言いました。
すると父が一言「実は、お父さんにも聞こえた」と言いました。

あの時、瀕死のシロを見捨てて行ってしまった私に、会いに来て
くれたんだ…許してくれてたんだ、と泣いてしまいました。

こういうこともあるんだな…と思ってましたが、ここで似たような体験が
いくつかあって、うれしかったです。

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