妹の思い

807 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/04/18(水) 02:09
私の話を聞いて下さい。

四ヶ月前妹を病気で亡くしました。
八つ年下であんまり共通の話題もなく、また元の性格が人を茶化してばかり
の揚げ足取りな私は決して良い姉ではなかったと思います。
妹が倒れた時、私はたまたま旅行に出ていました。
明け方本人から電話が入り、異常に興奮したその様子に不安を覚え予定を
切り上げて帰ってきた時には、妹はもう元の妹ではありませんでした。
理知的で常識人だった筈の彼女の脳にウィルスが侵入し、妹はもう妹では
ありませんでした。大声で笑い叫び、隣の病室の人に怒鳴られたりして
世話をする私も母も段々疲れ、お互い言葉にはしなかったけど気持ちのどこかで
もうもしかしたらこの子長くないかもしれないと思い始めていました。
そして想像通り、たった一ヶ月少しの闘病の後、彼女は亡くなりました。
12月のよく晴れた朝でした。

両親の方が随分参ってしまったので、私は自分がダメになっては
いけないと思い、通夜の時も葬儀の時も冗談など言いながら働いて
いました。妹は私をやっぱり冷たい姉だと思っているだろうなと
思いながら。
やがて3週間ほど過ぎ、クリスマスの頃になるとようやく家族も
少し落ち着いて来ました(元々の覚悟もどこかにあったので)。
そしてイブの夜、夕食を作っているとポケットの中で携帯が鳴りました。
その日は朝から私の妹が亡くなったことを知らない知人から
クリスマスメールが何回か入っていたので、そうかなと思って携帯を
取り出すとやはりメールの着信でしたが知らない番号だったので
開いてみるとやはり内容は「メリークリスマス~」という感じでした。
火を使っていたので、特に詳しく読まず保存してまたポケットに戻しました。

そして夕食が終わって携帯を出してみると、そこには何のメッセージも
ないのです。使い慣れた携帯なのに、メールの保存ミスなんてしたこと
ないのに。
嘘ではないです。もしかしたら携帯の調子が悪かったのかもしれないです。
でも、斜め読みしたメールの中に何度も「love!love!」と書いてあった
のがどうしても忘れられません。
実は妹は様子のおかしくなる前の晩、私に手紙を書いてくれていました。
すでにウィルスが入っていたので、破ったカレンダーの裏にマジックで
書き散らしたその手紙は字も内容もめちゃくちゃで、でも何回も
「お姉ちゃんが大好き、早く帰って」と書いてありました。
母に聞いたら何日間かずっと具合が悪かった間留守の私のベッドで
寝ていたそうです。
本当に、どうしてもっと耶蘇しくしなかったのか、いろんな話をしなかった
のか、後悔ばかりしています。
ここを見ている方、親だけじゃない、身近な人みんないつ居なくなるか
分からないです。大切に愛して下さい。

ばかな姉の戯言でした。
長くてごめんなさい。

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