祖母の家

513 :1/3 :2009/07/01(水) 21:53:15 ID:lR2Ks4w50
子供の頃の~と迷ったけど、最近のこともあるのでこちらへ自分はまったく霊感はない。
そう思っていたが、最近そういう系が見える人に会うことがあり「見えないはずがない」という評価を頂いた。
怖いと思っているから、見えても脳内で補正されるらしい。
確かに私は死ぬほど怖がりで、中学にあがるまで自宅の二階へ一人でいけないほど。
成人した今でも、オカ板を見た後は最低三日間は電気をつけっぱなしでないと寝れないw
これほど怖がりになった原因はしっかりとは覚えていないが、小学校に入る前はそう怖がりでなかった記憶がある。
それで話は、小学校に入る前の祖母宅での話。
祖母の家はトトロに出てきそうな家で、まわりも田舎だった。
で、祖母の住む地域は化け狸の話が多く残されており、曾祖父も騙されたという話を聞いたことがある。
実際に狸も多く住んでおり、数少ない道路には『狸の飛び出し注意』の看板が多く立っている。
祖母の家へ行くのは大抵法事やらなんやら大きいイベントの時で、なおかつ一族に幼い子供は私しかいなく、いつも私は一人で遊んでいた。
大人たちが食事の用意をしたり、昼間っから宴会を開いている間、私は外に出てはならないという言いつけを守りながら祖母の敷地内で遊んでいた(祖母宅は本家だったせいかかなり大きい)。
そこで色々不思議な体験をした。例えば全身緑色の布を巻き眼だけ出している20センチぐらいの男?と遊んだり、見知らぬお姉さんと遊んだり。
お姉さんは優しく家のことを色々教えてくれた。例えば昔ここで牛を飼ってたのよとか。祖母に聞くと30年以上前の話だと教えられたり。

もちろん、近所には該当するようなお姉さんはおらず、祖母たちは「狸が化けたんだよ」と言っていた。
狸が人間に化ける─自分もそれを信じたのは、ある狸の行動を見てからだ。
ある日、祖母の家でくつろいでいると勝手口のドアがノックされた。裏は山で近所の人はたいてい表玄関からくる。
不思議に思い祖母に言うと、「狸がご飯をくれって言ってるんだよ。」と言われた。
狸がノックするのか?と思い祖母に尋ねると、「じゃあのぞいてみたら?」と言われ、台所の窓からそっとのぞくと確かに勝手口の前に狸がいた。
しかもその狸は二本足で立っており、片手でノックをしていたのだ。
あそこまで人間っぽい動きができるのなら、きっと人間にも化けれるんだろうな。
と幼い頭でそう理解した私は、祖母からご飯の入った皿を渡され、裏口に置いた。その時には狸はいなくなっていたが、その後に皿が空になってたから食べたのだろう。

そんなこんなでしばらくし私が小学校に入る頃、祖母の家へは行かなくなった。
それから10年ほど経って、近所で野生の動物の目撃情報が増え始めた。
餌がなくて人の多い所におりてくるらしい。私の住んでいる場所は住宅街だが、イタチや猿?などの野生動物の目撃情報があるなか、狸が出たという話を聞いた。
実際に、私自身、狸っぽい動物も見たことがあった。(ネコかもしれないけど)
そんなある日、私が寝ていると誰かが私の体に触れる感触で目が覚めた。
はじめは親かと思ったが何も言わずに私の体に触れてくる。
あまりにもリアルで幽霊とかそういう感じはしなかったせいか、てっきり妹のいたずらだと思った。
ならばこちらがびびらせてやろうと思い、寝ぼけた頭が完璧に覚醒した時、私はすばやくその手を握った。
手はぎょっとしたように私の手を振り払った。私は飛び起きると部屋中を探したが妹の姿はない。
その時点で少しぞっとしたが、かまわず家中を探すが誰もいない。家の鍵も窓も全部閉まっている。
あとから帰ってきた母親に聞くと、父親→ゴルフ、母親→買い物、妹→買い物。で家には誰もいなかったのだそうだ。
考えるとめちゃくちゃ怖いのだが、その手の感じが、なんだかしばらく会ってない親戚のおばさんが「あらあら、○○ちゃん大きくなったわねぇ。」と体をぽんぽんと叩く感じに似ている気がしたせいかあまり怖くなかった。
もしかしたら、あの時の狸が会いに来てくれたのかなと思った。
ちょうど祖母の家との間に道ができたという話を聞いたし。落ちも何もなくて申し訳ないが、これで以上です。
あまりにも生々しい手だったので夢ってことはないと思います。

前の話へ

次の話へ