ブザー音

293 本当にあった怖い名無し sage New! 2012/07/14(土) 00:26:35.36 ID:fw8elC1w0
全然怖くないかもしれないが、とりあえず此処に書こうと思う 

今から4年前、俺がまだ中一だった頃 
地元茨城から東京にある中高一貫校に通い始めて、暫く経った頃の話 
丁度人生初の中間テストだったその朝、俺はいつも通りA駅で中央総武線に乗り換えた 
進行方向の先頭車両に乗った、という事も覚えている(O駅までその号車は女性専用車なので、ラッシュでも微妙に空いていたからねw) 
「ドア閉めまーす、駆け込み乗車は…」 
ピコーンピコーンピコーン(ドア開閉のブザー) 
という感じでいつもはドアが閉まるのだが、その日はちょっと様子が違った 
ドアが閉まった後も、電車が発車してからも、ずっと開閉ブザーが鳴り続けているのだ 
ピコーンピコーンピコーンピコーン 
周りの人達もこのドアを、物珍しそうな目で眺めていた 
次の駅に着いても、やっぱりブザー音は消えず、隣のドアのブザーと若干テンポがずれていながらも、絶えずドアの開閉を知らせていた 
まあそんなに大きい音ではないし、無機質で単調なリズムの繰り返しだから、乗車客はだんだんブザーに興味を示さなくなっていった 
俺も、何分テストのせいで殆ど徹夜だったので、吊り革に掴まりながら、ウトウトと微睡んでしまった 

はっと気付いたら、電車は無人だった 
え?何で!?、と辺りを見回しても、立っている人はおろか、座っている乗客さえ見当たらない 
ラッシュ真っ盛りの7時近くにこの乗車率は、女専と言えども不自然である 
電車の先頭、運転手の席はブラインドが掛かっていて見えなかった 
そして、電車の走る車輪の音がしなかったのだ 
ピコーンピコーンピコーン 
ただ、間抜けなブザー音のみが鳴り響いていた 
途端に背筋が凍り、脳天に強いショックを受けながら、俺は隣の号車へ一目散に走った 
スライドドアを開けて飛び込んで、乗客がいるのを確認して、暫く放心してから、恐る恐る後ろを振り返った 
元通りである 
乗客は普通にいたのだ 
隣のサラリーマンが、肩で息をして青ざめている俺を怪訝そうな目で見ていた 
今考えてみればあの時は徹夜明けプラス初めての定期テスト直前、という精神的にかなりキツい状況に追い込まれていた 
幻覚や夢の類だったのかもしれない(というか夢だと思っている) 
俺も今は女子高生、もうずっと中央総武線に乗って学校へ通っている 
もう4年前の話、自分もすっかり忘れていた 

でも、今更こんな昔の曖昧な体験談を書いたのには理由がある 
先月、秋葉原駅6時40分位発の電車に乗ったら、ドアの開閉ブザーが壊れてずっと鳴っている所があった 
多分5から6号車 
誰か同じ電車に乗り合わせた人はいないだろうか 

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