伯母と家

744 :本当にあった怖い名無し[sage] :2009/04/08(水) 01:48:36 ID:aJ3OUpbo0
大した話では無いです。チラ裏ここから
俺の母親には兄弟が多くて、兄1姉2妹2の6人兄弟だった。 
母の一番上の姉、即ち俺の伯母は、非常に俺の家族を可愛がって 
くれていた。俺は三人兄弟なんだが、父親が派遣社員で母が内職 
って状態だったので、小学校の頃ご飯を満足に食べられなかった。 
だが、その伯母が家から10分ぐらいの所で喫茶店を開いており、 
欠食児童だった俺は弟を連れて毎日のように遊びに行って、カレー 
大盛りだの厚切りトーストだのを食べさせて貰っていた。

大学卒業後、遠くの会社に就職した。盆と正月には地元に帰った 
ので、その度に恩返しの積りで小遣いを渡していた。 
その伯母が、三年前の夏に肺ガンになった。その前に、肺繊維症 
という難病指定の病気に掛かっており、肺ガン発覚時点では、薬物 
治療、放射線治療、手術すべてが無理で、お医者さんは手の施し 
ようがないと匙を投げる状態だった。「正直、正月までもたない 
と思います」お医者さんはそう云い切った。 
偶然だろうか、その時期に地元に戻って新規事業を始めようとし 
ていた矢先だったので、毎日夕方に伯母の家に行って晩ご飯を作り、 
闘病の励ましをしていた。だが、当然快方に向かう訳もなく、11 
月半ばには、家の階段をあがる事は勿論、殆ど歩く事さえ出来なく 
なった。時を同じくして、俺の隣の家が売りに出された。少しは蓄 
えが有ったのと、両親及び伯母が支援してくれたので、一括で購入 
した。

そして、なんとか正月を迎えた。三が日が明けてすぐに伯母に購入 
した家を見せようと自動車で連れて来た。ガンもかなり進行してお 
り、伯母の家ではほぼ寝たきり状態だった伯母だったが、うちの家 
に入るなり、急に「私は自分で三階まで上がらないといけないの。」 
と謎の台詞を言い出して、周りの手助けを拒否して長い時間を掛けて 
三階の一番広い部屋に上がってきた。そこで力尽きたのか、座り込み、 
「良い家が買えて良かったね。本当に良い家だね。」って云いながら 
涙ぐみだした。その後、「ここでお世話になるんだね。」とまた謎の 
台詞を云い出した。 
その日から数日後、病院に入院した伯母は二月に鬼籍に入った。亡く 
なった後、伯母の家は三回忌が終わるまでそのままにして、みんなで 
祀る予定だったのだが、兄弟の何人かがすぐに売って金にしたいとか 
言い出した。まだ49日が終わっていない段階だ。
746 :本当にあった怖い名無し :2009/04/08(水) 01:51:05 ID:aJ3OUpbo0
残念な事に、家はすぐに売れ、二週間以内に片付ける必要が出てきた。 
親族会議の結果、俺の家に仏壇を引き取る事になった。そして、置く 
場所の選定になったのだが、伯母が座り込んだ部屋が唯一大きな仏壇 
を置ける部屋なので、そこに祀る事にした。伯母の台詞を思い出して、 
偶然かなぁと思っていたのだが、その仏壇の大きさが、俺の家の階段 
とミリ単位で同じで、あと二ミリ大きかったら運び込めない大きさだ 
った。色々偶然が続くなぁっと思っていた。
俺の家は、俺一人で、隣の家(俺の実家)には父と母が住んでいるの 
だが、その仏壇を祀ってから後の事、何人かの人が、その部屋に人影 
を見かけている。俺は一切霊感がないので全く気がつかないんだが、 
色んな人が、目撃証言を云っている。俺は気にせず毎朝水を換え、 
好物だったコーヒーを備えているだけなんだが、その部屋は確かに暖か 
い気がする。ただ、俺としては十分に恩返しも出来たし、成仏して 
欲しいと願っている。

以上実話です。ただ、人影に関しては本当に俺は気が付かない。 
勘の鋭い人だけなのかも知れないと思っている。 
ちら裏ここまで

829 :本当にあった怖い名無し[sage] :2009/04/11(土) 09:52:59 ID:hwxzT6WS0
>>753 
亀レスですが、>>746です。 
今年の二月に三回忌を済ませ、人影はなくなったようです。三回忌の法要の 
有った翌日、両親が非常に大きな音にびっくりして俺の家に来たのですが、 
自分には聞こえなかったですね。「お前の部屋辺りで音が聞こえたよ」って、 
普通に仕事していたのですが、何も気がついていない… 
自分だけ勘が鈍いようです。

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