真冬の浜辺で

666 :本当にあった怖い名無し[sage] :2009/01/16(金) 12:25:48 ID:JQmUwNgH0
中学途中から高校卒業するまで東北の某県にいた。 
高校2.3年のときの友達がよく夏に海水浴に連れて行ってくれた。
約10年前の大学4年の冬、「就職したらなかなか会えないかも」 
なんて思い、友達に会いに行って数日間遊びまくった。

真冬でクソ寒いんだけど、俺が「あの海行きたい」とか言い出して 
友達が車で連れて行ってくれた。日本海沿岸北部。 
車をぎりぎりまで駐めて、少し歩いて降りていった。当然誰もいない。

波や雪を見て、関東出身の俺は「わーすげーな」とか言ってた。 
遠目にゴミとかたくさんありそうなところがあった。 
そういうところ見ると、近づいてみたくなって、2人で歩いた。

近づいていくと、なんか子どもの声がする。 
2人で「子どもがこんなとこで遊んでるのか?」と言いながら見てみたら、 
廃車が2.3台置かれていて、その周りに小さな子どもがいた。1人。 
なんか着物?みたいな着てて、脚出してた気がする。 
だから2人で「この雪であの格好!まじかよ!」とか言ってたら、 
いきなり子どもがポーンと廃車のボンネットの上に飛び乗った。

それ見て俺は、「この世の者じゃない?」と一瞬思った。たぶん友達もそう思ったかと。 
俺か友達、どっちかがそれ見て声出したんだけど、そうしたら、 
次の瞬間、子どもがこっち向いた。笑ってた。そしてふっと消えた。 
友達がてウワーーーーっと叫んで逃げた。俺も後を追って、車までダッシュ。 
友達が急いで車を出し、海から遠ざかった。 
それまで無言で、ようやくそこで2人、口を開いた。

友達、「見たあれ?飛んでこっち向いたよな?しかも鬼みたいな顔して。 
あれ絶対幽霊だろ。海で死んだ子どもだろ」なんて言ってた。 
けど、俺が見たのは笑顔の子どもだったのでちょっと食い違う。 
それで2人して興奮状態で話したんだけど、 
友達は「鬼みたいな顔して睨んできた」と言い張るばかり。 
俺は「ふっと消えた」ってのが怖かったけど、笑顔だった。
結局それは合致せず、おかしいおかしいと言いながら、 
友達があまりにへんな感じなので、街へ戻って別れることにした。 
俺は泊めてもらうつもりだったが、急遽素泊まりの宿へ行くことに。 
なんというか、自分は基本的に霊魂とか信じているからか、 
子どもよりも友達のうろたえっぷりが一番怖かった。

とりあえずコンビニで飯と酒と塩買ってきて、塩を自分にかけて。 
心の中で「もし霊なら、成仏してください」とだけ唱えた。 
そのまま酒飲んで寝て、朝、新幹線で帰った。

当時まだ携帯電話ももってない頃だったので 
自宅に帰り、なんだかんだでその2日後くらいに友達宅へ電話。 
母親が出て、「ずっと風邪で熱出して寝てる」とか。

その後、何度か電話したんだけど。 
友達はなぜか体調不良になり、それに伴って?メンタル的にもダウン。 
就職は内定してたんだけどそれを断り、病院通い。 
薬もダウン系のものを処方されているのかなんかのか、 
気分の落ちがいっこうに回復せず、数年引きこもり。 
それからなんとか就職したものの、良いことはさっぱりなく。 
俺のほうはごくごく普通で、なんとか生きてきている。

これって、同時に笑顔と鬼のような形相を見たのに関係してるのかな。 
たぶんスレチですいません。いまだに謎。

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