同じ夢の中で

947 :1/2[sage] :2009/01/27(火) 17:17:05 ID:aklSWrY10
長いんで2つに分けます。 
前にもどこかで書き込んだかも知れません。 
長さと不思議さは比例しないと思いながら読んで下さい。。。
小学校3,4年の頃、夢の中でこれは夢だと気付いた。 
何回か経験していたので、自分の場合は 
首に力を入れるイメージをすると夢から覚めれるっというのを知っていた。 
けどその時はなんとなく、もうちょっと夢の中で遊ぼうと思った。 
立っていた場所はアスファルトの道の上で、夢の中をテクテクと歩き始めた。

しばらく歩くとトラス構造の橋(柱を三角形に組んである橋)があった。 
渡り終えたら景色が一変して、江戸時代の長屋みたいなところに着いた。 
そこも通り過ぎようとしたら家が途切れて、コの字型にへこんでいる一画があった。 
覗いたら、町人風の人達20人くらいが半円形でこちらを見ていた。 
中心に痩せてて長い髭生やして杖を持った爺さんがいた。 
俺はなんとなくその爺さんに寄っていったら、その爺さんも近寄ってきて、 
「覚めなくなってるじゃろ。これを持って行ってばらまけ。」と巾着袋を渡された。 
はっと気付いて、首に力を入れてみたが確かに目が覚めない。 
焦り始めて、袋の中を見ると、白と金が混じった砂のようなものが入っていた。 
しかし、それでもなんとなく夢から覚めたくない。 
「早くばらまけ。」と爺さんに促されたが、 
焦りとなぜか夢から覚めたくない葛藤があった。 
ちらりと右の方をみると自転車が置いてあるのに気付いた。 
それに飛び乗って長屋から逃げ出した。 
しばら自転車で走ると先が崖になっている場所に出て、 
そこに、別に親しいわけでも無い違うクラスの女の子(Sとします)が立っていた。 
Sがニコニコ笑いながら「早く捲いた方がいいよ。」と言ったので、 
しぶしぶ爺さんに貰った粉を袋から掴んで目の前に捲いたら、パッと目が覚めた。

寝汗をかいていて、やたらリアルに感じられたのを覚えている。

Sとは高校の時に同じクラスになって、ちょいちょいと喋るようになった。 
男勝りだけど気さくな子で、クラスでは女の子のリーダー的な存在だった。 
たまに夢のことを思い出したが、特別親しくなることもなく高校生活も終わり、 
俺は就職してSは短大生になった。
5,6年経った頃、高校のクラス会をやるお知らせが来た。 
行こうかどうしようか迷っていたが結局行くことにした。 
会場にはSもいた。 
思い出話に花が咲き、みんな元いた席から離れて、 
思い思いの席に座って肩を抱きあったり、ド付き合ったりしていた。 
ふと俺の前にSが座り「元気だった?」と明るい調子で喋ってくる。 
俺も軽い調子で応えて世間話を始めた。 
お互いの話しが途切れたとき、 
Sが「ちょっと変な話ししていい?」と言ってきた。 
「いいよ。なに?」と俺が頷くと、 
「私、小学校の頃、夢の中で夢って気付いてさ。 
 でも覚め方が分からなくて、夢の中を長い間歩いて泣きそうになってたら、 
 知らない爺さんが出てきて『向こうに行け』って言われたの。 
 指を指す方に進んだら夢の中にアンタが出てきて、 
 アンタが私の方に砂をまいたら突然目が覚めたの。 
 あの夢、ほんとに印象に残ってるのよねえ。」 
一気に酔いが醒めた。 
けど、こんな場所で俺の夢の話しをして、色々と夢について話し合う気にもなれず、 
「へえ。不思議な話やねえ。」と 
よくある怖い話に相づちを打つような感じで答えた。 
色々と軽口を叩いて話題をそらして、また別の世間話にずらしていった。

その後Sとは会うこともないが、今でもあの夢はなんだったんだろうと思うときがある。

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