猫又(2)

97 :本当にあった怖い名無し[sage] :2008/11/04(火) 22:17:49 ID:vA4AVf480
中学生だったころの話。 
友達の家の近所が住宅街なんだけど、 
そのあたりは昼間はたいして人もいないし、道路も軽が一台やっと通れる程度の細い道が多かった。
そんな道のひとつを、その友達としゃべりながら歩いていたときのこと。 
話の合間にふと自分が前を見ると、いつ現れたのか、道の真ん中に黒い猫がいた。 
それだけならどうということもないのだけど、 
その猫は尻尾の先が「Y」の字形に割れていた。 
猫もこっちに気がついて、びっくりした顔して静止していた。 
(今も昔も猫大好きだから、猫の表情はだいたいわかるつもり) 
自分はとりあえず立ち止まった。歩いてるせいでぶれて見えるのでは、と思ったから。 
でもやっぱりしっぽが割れている。 
そこで仮説を立てた。 
1.二本に錯覚するほどの速さでしっぽの先だけ高速で振っている。 
2.実はしっぽ以外が限りなく同じポーズの猫が二匹いて、重なって見える。 
3.しっぽだけ蜃気楼。 
いろいろ考えたものの、そりゃないだろうと一瞬で判別がつく。 
あと考えられる可能性は…と模索し、とりあえず友達に声をかけた。 
「ねえ、そこの黒い猫のしっぽ、割れてない?」 
そしたら、友達は正面の道含めてあたりを見回し、そんなのいないよ、と返事した。 
指差して説明をして、何度も確認してもらったがやっぱりなにもいない、見えないと言っていた。 
そうこうしているうちに、猫は「あーまじびびった」って感じで近くの家の垣根に消えた。 
その場で友達に立っていてもらい、猫のいた位置に自分が行き、 
「ここにいたんだよー、ちゃんと見た?」 
と立って見せたが、見たけどやっぱりなんにも見えなかったとのこと。 
ていうか田舎道だし、道になにかいるって言われたら、 
そこにも視線がいかないわけがないくらいなんだよな。

あれはなんだったんだろなー。 
友達にも見えてたなら、突然変異で決着ついたんだけど。

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