お爺さんと鱗

523 :本当にあった怖い名無し[sage] :2008/11/28(金) 07:02:28 ID:HDcNpRa2O
じゃあ口直しに昔の話をしよう。
大学生の時。たぶん今くらいの時期だったはず。 
友人を私のアパートに泊めたことがある。 
アパートまで帰るのには銀杏並木を通らないといけなくて、友人と2人でそこを 
歩いてたら、変なお爺さんに会った。 
和服を着込んだ上品そうなお爺さんが、銀杏の木の真下に立ってた。 
「○○(曾祖母の結婚前の名)のひ孫だね。」 
と呼び止められた時に、お爺さんがいたことに気づいた。 
お爺さんは、 
「昔は病弱でチビだったから心配していた。大きくて強い子になったな。」 
のようなことを言っていた。たしかに私は病弱なチビだった。 
「あと少しだ。大丈夫。お前は強い子に育ったから負けない。でも気をつけるんだよ」 
と意味の分からないことを言って、お爺さんはどこかに歩き去った。 
アパートに着いてそのまま寝て、翌朝カーテンを開けたら、窓の内側に何かついていた。 
ねばねばした透明の液体とオレンジの鱗だった。金魚の鱗っぽい雰囲気。 
それが窓ガラスとサッシにベッタリと。 
友人と一緒に掃除したら、トイレの便座の裏にも同じものがついてた。

お爺さんや鱗を見たのはその一回だけだが、気持ち悪くて忘れられない思い出。

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