友達じゃない友達

木村 夏香 (仮名です。)さん  2008/09/06 16:41「怖い話投稿:ホラーテラー」
それは、今から3年前、私が高校3年生の時の話です。
その日私は、西寺真奈美(仮名です。)という、近所に住んでる小学校からの友達と、帰宅の途中でした。
PM4時。昨日、雨が降っていたので道には、水溜りがあちこちにありました。
水溜りの横を通りかかった、その時「あっ!」「どうしたの?」「やっば~い!携帯電話落としちゃった~!」
真奈美が、携帯電話を水溜りに落としてしまったのでした。
「びちょびちょ~。しかも起動しないし!」
「壊れた?」
「・・・多分。」
「どうすんの?」
「ん~。明日店で取り替えてくる~。」
「へぇ~。」
そのまま、私たちは家に帰りました。

   夜、私はなかなか眠れず、気がつくと時計の針は1時をこえていました。
その時でした。
「ピロリロリ~ン。」
携帯が鳴り、画面には真奈美の文字が。
「もしもし?何よ、こんな時間に?」
「・・・行こう。」
「は?」
「・・・心霊スポット、行こう・・・。」
「ちょっと、何いってんの?今マジで出るよ?幽霊。それとなんか、元気が無いみたいだけど・・・。」
真奈美は昼とはうって変わり、消えそうな声だった。
「でも、今から行くの、メンド-だし。真奈美の家。」
「・・・大丈夫・・・。」
「え?」
「外・・・見て。」
私が窓を開けると真奈美の姿が。
「・・・いいよね。」
「えっ!そのでも・・・。」
「行こう。」
私はしょうがなく、行くことにしました。
場所は街外れで、有名な森でした。
心霊スポットとして・・・。
実際ここに私が立ち寄ったことはなく、おそらく真奈美も初めて。
なのにどうしてここに?私たちは森へ入っていきました。
「・・・石のほこら・・・。」
「何?ほこら?」
「石のほこらに・・・出る。」
「場所は?」
「森のずっとずっと・・・奥。」
「へぇ~。ねぇ、やっぱ帰らない?」
「・・・」
返事はありませんでした。
「真奈美?」
振り返ると真奈美はいませんでした。
「真奈美っ!」
私は手に持っていた懐中電灯で辺りを見ました。
「だって、10秒前までしゃべっていたのに・・・。」
真奈美は跡形もなく消えてしまいました。
それから、ずっと探しましたが、どこにもいませんでした。
諦めかけたその時、・・・ガサッ・・・後ろから足音が。
「真奈美!?」
振りかえりました。
しかし、誰も居ない。
しかし足音はこっちにむかってきています。
私は、逃げました。
しかし足音はついてきます。
おかしい・・・。
私はそう思いました。
まるで私をどこかへ、誘導してるみたいに・・・。
気がつくと私の前には石のほこらが。
足音は消えていました。
でも、後ろから恐ろしいことが・・・
「行こう、行こう、行こう・・・。」
無我夢中で逃げました。
だって・・・だってその声は、真奈美の声だったから・・・。

気がつくと森から出ていました。
空は明るくなり時計を見ると、5時になっていた。
そのまま私は真奈美の家に行きました。
「真奈美!!!」
母が出てきて真奈美を起こしてくれたので、そのまま私は真奈美の部屋へ直行しました。
「あ~夏香~おはよ~☆」
テンションは戻っていました。
「おはよじゃない!!」
「なにキレてんの?」
「とぼけないで!なんで先帰るの?」
真奈美はぽかんとしていました。
「行ってないよ。」
「え」
「あたし、ずっと寝てた。」
「うそ・・・。だって携帯かけてきたんじゃ・・・。」
真奈美は携帯を見せた。
「夏香だって知ってんでしょ?昨日水溜りに落としてこわれたの!」
「じゃあ、昨日のアレ・・・。」
気分が悪くなった。
「真奈美、洗面所貸して・・・。一緒来て・・・。」
洗面所に行った。
「夏香大丈夫?」ふと鏡を見た。
そこに、見えたのは横に居るのは微笑む真奈美。
鏡に映るのはあの心霊スポットに一緒にいった、恐ろしい顔の真奈美だった。
鏡の真奈美が口パクで何か言っている。
どこからか声が聞こえてきた。
「行こう・・・。」

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