時計の音
沖縄の大学に通ってた頃。 家賃が安いという理由で、学校からは遠いけど本島南部の周りに畑以外何も無い地区に住んでいた。 ある蒸し暑い夜、なかなか寝付けず布団の上で寝返りを繰り返していた。 昼間でも車の音とか人の声があまり聞こえない場所なので、夜は本当に静か。 その日に限って普段は聞こえる庭の虫の声すら無い。 聞こえるのは枕元の目覚まし時計が時を刻む音だけ。 チチチチチチチチチチチチチ… これだけ周りが静かだと時計の音ですら気になって眠れない。 こんなに音ウルサかったっけ? 気になり出すと神経が集中し、さらに音は大きく聞こえる。 カチカチカチカチカチカチカチチカチカチカチカチ… あぁウルサいなぁ、全然眠れないじゃないか、 駄目だ、もう我慢出来ない。明日寝坊しても構わないから電池抜いてしまおう。 と、起き上がりかけて初めて気が付いた。 うちの目覚ましデジタルだったよな? ゆっくりと枕元へ視線を移すと 真っ白い女の首が、もの凄い早さで歯を鳴らしていた。