廃村

これはオレが21の時に体験した話。少し長くなるかもしれないけど、どうか最後までお付き合いしていただきたい。

当時大学の夏休みで、暇を持て余していたオレは、友人AとBで何か楽しいことは無いかと話していた。

「そういえば、最近◯◯のほうに廃村があるって聞いたぞ」
とAが言い出した。

位置も 曖昧どころか、◯◯の方 としか分からないオレらだったが、
その時は、廃村という言葉だけで気持ちが高ぶり 早速ネットで調べて出発することにした。

実際、本当にそんな場所があるのか と最初は半信半疑だった。
でも調べてみるとすぐに見つかった笑

そういうことで、行こうと決めたその日の夜11時くらいに、友人Aの車で向かった。


予定では4時間くらいで着くはずだったが、道に迷ったせいもあり 空が明るくなってきた頃に到着した。
もうそこは想像してた以上の光景だった。
本当に、かつてこんな場所に村があったのかと疑うような山奥だった。
でも実際に、
木々や草花で生い茂られており、荒れるに荒れた廃村が存在していた。
道端には 割れた食器や 和式の便器、
冷蔵庫や長靴など落ちていた。

建物はいくつもあったが、おれらの目的は廃病院だった。
そこは、この村で1番大きな建物で どのサイトにもメインで紹介されていたからだ。


予想通り、その大きさからすぐに病院らしきものがみつかった。

もう空が明るかったせいか、おれらは躊躇う事なく病院内へはいっていった。

床はエアガンの玉がいたるところにちらばっていた。
恐らくサバイバルゲーム(っていうのかな?笑)をしに来た人たちのものだろう。

実際それ以外には、特に何もなかった笑


手術室や病棟などをイメージしていたが、
廊下と狭い部屋が連なってる以外、なにもなかった。

A「ほんとにここが病院か?」

オレ「でも、写真で見た建物と一緒だよな?」

B「ん?ピザの箱おちてるぞ笑」

A「まさかここまで配達してもらった訳じゃないよな笑」

そんな会話をしながら歩いていると、床にマンホールのような穴が空いているのを発見した。

A「いく?」

オレ「いく」


もちろんおれらはその下を見に降りる事にした。
案外期待はずれでがっかりしていたオレらとしては、当たり前の選択だった。
懐中電灯で照らしながら降りると、意外とすぐに地面が見えた。

みんな地面に降りたところあたりで、突然今までに経験した事のない悪寒を感じた。

恐らくAとBもだろう。顔を見ればすぐに分かった。

オレも多分、こいつらと同じ顔をしていたと思う。

突然の寒気に顔がひきっていた。

「やばい!戻るぞ!」
という暇もなく、もっと恐ろしい事が起きた。

あたり一面から、女 男 子供の笑い声が聞こえて来た。
もうなんか、何人いるんだよってくらい色んな笑い声が聞こえて来た。
言葉では表現できない不気味な笑い声だった。


恐怖のせいか、そこからの記憶がほとんどない。笑

気付いたら車の中でガクブルしていた。
たぶん猛ダッシュで車まで走って来たのだろう。
息が上がっていて、会話すらできなかった。

Aは慌てて車のエンジンをかけようとしたが、エンジンがかからない

なんてベタな話ではなく、普通に発車できた笑
本当によかった笑

しばらく三人とも震えが止まらなかった。
車の窓から病院を見ると、そこにあったはずの病院が どういう訳か消えていた。
もう意味が分からなかった。

今までそこの廃病院にいたのに、今みたら何もないただの平地だよ?笑
それに気付いていないAとBには言わなかった。

その日は会話も少ないまま、それぞれの家に帰った。

家に着く前に、気休め程度に三人ともおまもりを近くの神社で買って帰った。
廃村いく前に買うのが正解だったと後悔した笑

いま考えたら、
三人でいた方が 恐怖心が薄れるはずなのに、なんでそのまま家に帰ったんだろう。
今は、あのまま三人でいれば…と本当に後悔している。
次の日、Bが死んだからだ。
喉に、買ったお守りが詰まっていたらしい。
死因は窒息死。
お守りの中身は、真っ黒になっていたらしい。
オレとAは、何故か生きている。
なんでBだけ死んだのかなんてわかる訳もないのに、Aと2人で泣きながら話していた。
あれから数年経つけど、いまだにあの時買ったお守りはもっている。
おまもりを振ると、中身がしゃかしゃかいうんだ。
真黒い灰みたいになってるのを想像したら、開けられずにいる。
どうしたらいいのかも分からないから、家に置いてあるんだけど、捨てた方がいいのかな?笑

たまに夢で、あの笑い声が聞こえて来る。
その夢を見た日は、何故か左手の中指と薬指が動かなくなるんだ。
意味が分からない。

まあ、それ以外に支障はないからお祓いにも行ってない。
これがオレの体験した話。

読み返して見たら、クッソ駄文だったけど、めんどくさいからこのまま投稿します。
すみません笑

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