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古いお札

ゾッとする名無しさん@特選怖い話:2014/09/19 00:33 ID:q78LIxf6

祖父が亡くなった時に祖父の家を整理した時のこと。
ずっと片付けていなかったからか大量に衣類やら本やらが出てくる物の中に、古いお札を入れた財布があった。

自分はその時丁度財布を失くしたタイミングだったので、新しい財布までの繋ぎとしてお札と一緒に財布をもらった。
お札は少し汚れていた為価値があるとは思っていなかったが、飲みの話のネタとして使うつもりでそのまま財布に入れて持ち歩いていた。

その財布を使い始めて一ヶ月ほど経ったある日のこと。
飲み会の場で古いお札の話になった。
早速財布の中から古いお札を出して一緒に飲んでた奴に見せたが、少し違和感を感じた。
何だか祖父の家を整理した時の状態に比べ、お札は更に汚れているような気がしたのだ。
その時は自分の記憶違いだと思ったが、それから何度か飲み会で見せる度、どんどんお札は汚くなっていき、とうとう真っ黒で文字も絵も何も見えなくなってしまった。

財布の中にお札をずっと入れていたら多少は汚れることはあるし、ボロボロになることもある。
しかし色が黒ずんでいき、文字や絵が見えなくなるようなことはありえない。
その古いお札の状態は、財布に入れっぱなしにしていたことが原因とは考えられなかった。

そんな不気味なお札だが、真っ黒になった後も更に持ち歩いていると、今度は破れが起こり始めた。
そしてついに、ボロボロと崩れて無くなってしまった。
持ち歩き始めてから1年ほどのことだった。

どうしてそんなことになったのかは分からないままではあるが、一つだけ思い当たることがある。
それは、自分や周りの人の悲しみ、苛立ち、妬み、ストレスなどを吸っていたんじゃないかということ。
こう言うとオカルト的な話になりそうだが、自分の周りで起こったことを考えるとそう思えてくる。

というのも、その古いお札を持ち始める約半年前から、仕事で自分はある2年がかりの大きなプロジェクトに関わっていた。
大きなプロジェクトに関わっていたことがある人なら思うが、関係者が多いために大抵予定通りに仕事は進まない。
そうすると何処かにしわ寄せがいくが、それが自分の所属するチームにきていた。
連日終電あるいはタクシーで帰る日々が続き、会社に泊まることもよくあった。
チームの人達も関係者も皆苛立っており、上司からは怒られ、下請け会社には無茶ぶりをしていた。
職場の雰囲気は最悪だった。
自分も連日のハードワークで気が滅入っており、財布を無くしたのもある意味当然だった。

そんな時に祖父が亡くなり、あの古いお札を持ち歩くようになった頃から急に雰囲気が変わった。
周りのメンバーが苛立たなくなったのだ。
仕事が減ったわけでもないし、応援が入ったわけでもない。
ただ何となく、みんな周りに対して優しくなった。

そうなると仕事も気分的に楽になり、ある程度仕事が上手く回るようになり、チームは健康的な生活を送れるようになった。
そうして順調に仕事をこなしていく日々が続いていたのだが、お札が無くなった後はまた少しずつ前の状態に戻っていった。
結局お札が無くなってから半年、お札を持っていた期間でスケジュール的に余裕を作っていた為、プロジェクトは当初の計画通り2年で完了した。

そんなことがあったので、お札とは全く関係ない可能性もあるが、黒くなっていったタイミング的にも、何かしら影響を及ぼしていたと思っている。

人の黒い感情を吸うお札。
たまたま祖父の家で見つけたが、また何処かで見つけられることを希望している。

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