正面衝突 - 伊集院光
アメリカの高速道路で十一トン車二台が居眠り運転で正面衝突をして、両方に乗っていた運転手が一人ずつ死んだ。 ものすごいスピードで正面衝突をしているので車と車の運転席のフロントガラスが一体となってしまって、移動できない状態になっているんです。 それでこれはもうどうしようもないなということで、これを道の横に寄せて周りを囲って、一ヶ月くらい置いていたら何だか臭いと。 物凄い腐敗臭がするということで、苦情が出始めた。 運転手さんの遺体はきちんと引き上げているから腐敗臭がするわけはないんだけども、 苦情が出るということはこのコンテナの中に何か入っているんじゃないかということで、 これだけ苦情が出るならしょうがないので、すごいお金をかけて解体作業を始めた。 この二つの車の胴体を引き離してみたら、その間に家族四人が乗ったワーゲンが見つかった。 これは二台の事故じゃなくて、三台の事故だったんです。 誰も見ないところで起こってしまった事故だったんで、ペシャンコになってしまって誰も気づかなかったんですね。