網戸は閉まっている - ありがとう ぁみ

僕が前に住んでいたマンションでの話なんですけど、このマンションというのは僕が話すお話の中でも
何度も登場している、色々と怖い体験をするはめになったマンションです。

そこのマンションはワンルームマンションで、僕はそこの部屋の一番奥の壁にベットをくっつけていたんですよ。
それでいつもそこのベットに横になったり、腰掛けたりしてテレビを見ていたりしてたんですね。
そういう風な体制になっていると、すぐ後ろが壁になるんです。
そこの壁に窓がハマっていて、夏になると窓を閉め切ってエアコンを全開にしていたりするんですけども、
夏の初めや秋ごろになるともうエアコンは使わなくてもいいやということで、窓を開けて網戸の状態にしていたんですよね。
ちょっと寒いなと思ったら後ろの窓を手探りで閉めたりして、もうそろそろ寝ようかなという時もベットに横になっていますから
そのまま手探りで窓を閉めちゃうんですよね。

たまに窓を閉めるときに、何かが引っかかる感じがするんですよ。
そういう時って大抵カーテンが窓に挟まっていたりするんで、上から手でなぞっていって、あ、ここだなと思って
カーテンを引っ張って、窓を閉めるんです。
もうそんなことは慣れたことだったんですけども、その日も横になってテレビを見ていたんですが、
そろそろ寝ようかなと思った時にいつもどおり手探りで窓を閉めたら、また何かが引っかかる感じがするんですよ。

あ、また引っかかっちゃったなと思って、いつものようにカーテンを手繰り寄せて上からどのあたりかなーと思ってなぞっていって
その時にあれ?と思ったんですよ。
これはカーテンの感触じゃないな、なんだろなと思ったんです。

何かが確実に窓の下の方に引っかかっているんですよ。
手探りで触りながら、これは何なんだろうと思っていた時に、びっくりしてそっちを見たんですよ。
そしたらそこには何もなくて、ただ隙間があるだけなんですが、でも、確実に僕がさっき手触りで感じた感覚って
窓の隙間の一番下のところに誰かが窓を持って、まるで抑えているかのような、そんな感覚だったんです。

そういう経験があったんですけど、このマンションは三階の部屋で、そのマンションの外はベランダも何もないところなんですよね。
そもそも網戸が閉まっている状態なんで、外から誰かが窓のヘリを掴むなんて不可能なんですよね。
それで無茶苦茶怖くなってしまったという体験なんですが、皆さんも窓を閉める際にはくれぐれもご注意ください。
次にこんな体験をするのはあなたかもしれません。

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