昭和史を裏で動かした謎の人物 - オリエンタルラジオ中田敦彦
今年は戦後70年の節目の年という事で、大きく話題になりました。 そんな戦後70年の日本を引っ張ってきたのは誰かというと、政治のトップの総理大臣という事になってくると思います。 そこで皆さん、こんな事を考えた事はないでしょうか? 総理大臣の裏に、さらに大きな力を持った実力者がいるんじゃないか?なんてことを。 漫画や映画でよく描かれるテーマですよね。 ただこれが、フィクションではじゃないんじゃないか、という話があるんです。 戦後の有名な総理大臣というと、吉田茂、岸信介、佐藤栄作をはじめ色々な方が思い浮かぶと思うんですけど… 調べてみると、その各総理の裏には、どうやらそういうような人物がいたと。 そして、それがどうやら一人の人物であると。 これが誰かというと、この人物です。 安岡正篤(やすおかまさひろ)という人物になります。 安岡正篤は、古代中国の学問に精通している、いわゆる天才とい言われるような頭の切れる人物だったそうです。 幼少の頃からその才能の輝きを発揮し、神童と言われながら育ち、今でいう東京大学に首席で入学します。 卒業後はすぐに官僚になって国を動かそうとするんですが、そこにすぐに見限りをつけて、自分で塾を開きます。 そして、日本の指導者を育成する事を生業にします。 じゃあ、佐藤栄作総理とはどんな関係だったのか。 佐藤栄作総理といえば、沖縄返還を実現し、のちにノーベル平和賞を授賞します。 その沖縄返還に際し、アメリカとの交渉が必要だったんです。 時のアメリカの大統領は、かの有名なジョン・F・ケネディ。 やはり日本は敗戦国ということで、舐められていたんですね。日本との会談はたったの10分。 そんな状況で会談する佐藤栄作総理に、安岡正篤はこんな言葉を贈ったんですね。 『戦いに勝ちては 喪礼を以って 之に処る』 これ、どんな意味か気になりますよね? 『戦勝国は敗戦国に対して、あなどるのではなく、喪に服すように敬意をもって接しなさい』 という意味なんですが、これは中国の古い教えなんです。 これをそっくりそのまま言えば、ケネディはくいつくぞと。 そして佐藤栄作は、これをそっくりそのまま言ったんです。 それを聞いたケネディは、そんな言葉を知っているのかと。 佐藤栄作を一目置いて見るんですね。その上で、この言葉をもう少し聞かせてくれよと。 そして深く話すうちにこの話が盛り上がって、当初予定していた10分が、蓋を開けてみたら3時間を超えていたんです。 そうやって大統領との関係を築く事に成功した佐藤栄作は、後に沖縄返還を実現し、ノーベル平和賞を授賞したんです。 という事は、その功績は安岡のものと言っても過言ではないですよね。 そうなってくると、不思議になってきますよね。 なぜ私達は、安岡正篤という人物を知らないのか。 その秘密の鍵も、実は安岡が握っているんですよ。 安岡は古代中国の教えを噛み砕いて、こんな言葉を残しているんです。 『有名無力 無名有力』 これは、こんな意味なんです。 有名になればなるほど、注目されしがらみが出来るので、力を発揮しづらくなる。 逆に無名であり続ければ、影から力を発揮し続けられるだろう。 つまり我々が安岡の名前を知らないのは、安岡の意図するところだったんです。 じゃあ、安岡はいつからそんな影にいたんだろうという話になってきますが、 実は、戦後の日本のはじまりから、ずっと影にいたっていう話があるんです。 戦後の日本のはじまりというと、やはり戦争が終わって日本が負けた瞬間。 というと、やはり天皇陛下が国民に向けて「戦争は終わりました。」と告げた、玉音放送。 ラジオ放送ですよね。 その音源が公開されたことでも最近話題になっていますが、 その玉音放送は天皇陛下がもちろん原稿をお読みになっているんですが、 その原稿の作成に、安岡が関わっていたと言われているんです。 戦後の日本のはじまりの時には、安岡は既に裏にいたと言われているんです。 じゃあ、いつまでいたのか。 安岡がこの世を去るのは、昭和58年。享年85歳でした。 昭和58年といえば、もう昭和の終わり際ですね。 日本の未来は俺が死んだ後も平和であり続けて欲しいと、 安岡は常々周りに言っていたそうなんです。 そしてそんな安岡が死んだ後も、日本に影響を与え続けていると証明するものがこちらです。 これは「平成」という元号ですが、これこそが安岡が死の直前に提案したものなんです。 安岡が最後に日本に残したものは、「平和が成立する時代であってほしい」つまり「平成」。 その願いを最後に安岡は残していたんです。 つまり我々は、その安岡が残した元号の下で今も生きている。 だとしたら、安岡の後継者はきっといるはずですよね。 その後継者は、きっと安岡の教えを受け継いでいるもののはずですよね。 安岡の教えってなんですか? 『有名無力 無名有力』 そうです。今日もその後継者は、我々の知らないところで、日本を動かし続けているに違いありません。 信じるか信じないかは、あなた次第です。