恐怖の金縛り(お京はん先生さんの恐怖体験)


※このお話は、投稿された体験談を、稲川さんが話したものです。

これは僕が小学生の時の話しなんです。 僕の家にはベットがないので、仏間に僕と姉、隣の部屋に祖母という感じで寝ていました。 僕の部屋にはラジオの鳴る目覚まし時計がありましてね、でもその目覚まし時計はコンセントに差してはいるものの、スイッチはいれてありませんでした。 ある夏の夜中、僕らが寝ていると急にそのラジオの目覚まし時計が鳴り出して、音声のない「ザー…」という音が流れ出してきたんです。 僕はびっくりして飛び起きて、隣に寝ていた姉も隣の部屋に寝ていた祖母も起きてきて、みんなで時計を確認しました。 「どっかに当たってスイッチが入ったのかね?」と言いながら祖母は部屋に戻って行って、姉も僕も安心してまた床につきました。 それから二・三時間後、僕はふっと目を覚ましました。 夏なのに、なぜだか妙に寒気がするんです。 そして次の瞬間金縛りに襲われたんです。 僕は今まで金縛りにあった事はなかったんですが、友達が「結構みんな金縛りにはよくあうんだよ…」と言われていたので、 (ああ、これが金縛りか…こんなもんなんだな…)と安心していました。 しかしその時、急に腰のあたりを摘まれたような痛みが走りました。 仰向けに寝ていましたから、当然誰かのイタズラではない事はわかっていました。 そして、その痛みはどんどんどんどん強さをまして、グッと僕の事を床のほうに引きずりこもうとするんです。 金縛りのせいか、僕の叫び声は唸り声のようにしかなりませんでした。 身体の半分が敷布団の半分位まで沈んだ時に、金縛りがとけて、僕は死ぬ気で寝返りをうちました。 すると、その掴んでいた手と一緒に黒い小さな子供のような影がずるっと出てきて、パッと消えてしまいました。 そして僕は急に睡魔に襲われて、眠ってしまいました。 翌日起きて顔を洗おうとした時に、昨日摘まれたあたりの場所が疼きだしたので怖くなって見てみると、 その部分が青く腫れていました。

前の話へ

次の話へ