ポルターガイスト

これは怪談というわけではなくて、
大袈裟になりますが、私がある発見をしたという話です。

先ごろなんですが、心霊学会というものがありましてね、
そこには数学者、科学者、霊能力者というような方たちが顔を揃えている。
それで色んな発表をするんですよ。

そんな中で、二十五年間ずっとポルターガイストを研究している学者がいたんですが、
こんな発表をしたんです。

「私は二十五年間ずーっとポルターガイストを研究してきたけれども、
とうとう何も分からなかった。
ただひとつ分かったことは、ポルターガイストのある共通点です。
それはポルターガイストが起こるどの家にも、十七歳の娘が居た」
って言ったんです。

これなかなか興味がある話ですよね。
その時ふと、私何かでもって調べた時に、何かの本で読んだことを思い出したんですよね。
それはね、もう百年くらい前の話なんですけども、
日本の学者さんがそれに同じようなことについて書いているんですよ。

思い出しながらなんでそう定かには言えないんですが、
それは日本橋のある老舗で呉服屋さんか何屋さんか分かりませんけども、
その家には夜になると居るはずのない男の老人で太い嗄声の怒鳴り声が聞こえたりするって言うんですよ。
その家にはそんな人は誰もいないんですよ。

それで時々戸棚が揺れる。
勝手に戸棚が開いて皿が飛び出したり割れたりする。

すると川越にある庄屋さんの家でも時々タンスが揺れるって言うんですよ。
お皿が飛び出して割れるらしいんです。
時にはそのタンスがそれごと動いたりするって言うんです。
これは間違いなくポルターガイストですよね。

それで、その本の作者がなんて言っているかというと、
日本橋の家も川越の庄屋の家も若い娘がいたって書いてあるんです。

なんと学者がアメリカでポルターガイストについて発表する百年も前に、
同じようなことを日本でも発見しているんですよね。

日本にも昔からポルターガイストがあったんですね。

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