石井舞ちゃん行方不明事件
事件の概要
1991年7月25日、福島県田村郡船引町（現・田村市）で建築業を営んでいた石井賢一さんの長女、『石井舞ちゃん』当時7歳が、 自宅に泊まりに来ていた子供2人と、3人一緒のベッドで就寝中に、行方不明となった。事件当日の流れ
事件当日、家に居たのは以下の通りである。 ・賢一さん（父） ・ヨシ子さん（母） ・長男（舞ちゃんの兄弟） ・次男（舞ちゃんの兄弟） ・舞ちゃん ・祖父（賢一さんの父） ・祖母（賢一さんの母） ・賢一さんの姪（当時17歳・昼過ぎに実家のある郡山市出かけ、その後は家に居なかった） ・賢一さんの建築会社の従業員で姪の恋人のK（当時20歳） ・泊まりに来ていたヨシ子さんの友人の子供2人（女の子） ○事件当日の夕方、舞ちゃん達は、Kの部屋でテレビゲームをして遊んでいた。 ○21時頃、2階の部屋で賢一さんと長男・次男が寝始めた。 （同じ頃、祖父母は1階洋間のKの部屋の電気が消えるのを見たと証言している。） ○21時20分頃、祖父母はタクシーを呼んで、近所にあるカラオケスナックに行った。（この時、玄関の鍵を施錠している。） ○21時30分頃、舞ちゃんと遊びに来ていた2人の女の子が、2階の洋間で3人一緒に眠りにつく。（この洋間は両親や兄弟の眠る隣の部屋である。） ○22時30分頃、母ヨシ子さんが舞ちゃん達の寝ている部屋を覗き、タオルケットを掛け直した。 その後、2階の洗面所を使っていると、「バタン」と1階の玄関扉が閉まる音がしたので、窓から外を見るとKが南の方に歩いていくのを目撃した。 ヨシ子さんはたいして気にも留めず、1階にある浴室で入浴した。 しばらくすると、再びドアの閉まる音がして、何者かが「パタパタ」と階段を上がる音がした。 そしてヨシ子さんは賢一さんや長男らの眠る部屋に行き、横になった。 ○翌午前2時頃、祖父母が近所のカラオケスナックから帰ってくる。この時、1階の玄関のドアが開いていたので施錠した。 （鍵が開いていた事から祖父母がKの部屋を見るとKはいない。祖父母は「Kがいない」と賢一さんを起こすが、賢一さんは「明日聞くから」とまた寝てしまった。） ○午前5時20分、舞ちゃんと一緒に寝ていた子供が目を覚ますと舞ちゃんの姿がない。両親にその事を伝え騒ぎとなる。 ○午前6時30分、Kが外出先から戻ってくる。 Kの話によると「22時30分頃、友人に会うため郡山に向かった。船引駅に着くと、最終電車が出たばかりだったので、タクシーを拾い郡山まで向かった。 しかし、郡山にその友人は現れず、始発で帰ってきた」というものだった。警察の捜査
警察による現場検証の結果、この家に住む人物以外の足跡や指紋は発見できなかった。 こうした事から、警察は身内の犯行と考え、祖父母、両親、Kなどに嫌疑の目を向けた。 その中でもとりわけ疑われたのは、Kとヨシ子さんであった。 Kはその後、2週間に渡る取り調べを受けることになったが、郡山までKを乗せたというタクシー運転手が現れた事もあり、解放されている。不審な車
また、警察犬を捜査に導入したところ、玄関先で立ち止まってしまった。これは舞ちゃんが車で連れ去られたことを意味している。 当日の午後11時前には石井さん宅の前の道路から東へ少し離れたところで白い車が目撃されている。 この車は故障車のようにボンネットが開かれており、翌朝には消えていた。 石井家周辺の車の所有者は一人一人あたっていったが、この白い車だけは持ち主不明のままであった。父親の疑い
舞ちゃん行方不明後、TVでの情報提供依頼など積極的に出演していた賢一さんは、姪の恋人であったKに疑いの目を向けていた。 賢一さんの姪は親が離婚し、荒れて暴走族に出入りするようになる。この時、知り合ったのがKである。 Kは姪に賢一さんの建築会社を紹介してもらい、ここで働くようになる。 そして、石井家の1階の部屋に姪と同じ部屋に住みこむようになった。 事件当日、Kは姪と一緒に旅行に行くはずだったのだが、前日に賢一さんがKに仕事を言いつけ、旅行をキャンセルさせていた。 そのことでKが賢一さんを衝動的に恨んだとも考えられる。 また、それまでにも何度かシンナーをしていたKを、賢一さんが厳しく叱ったこともあった。 このような事から、Kと賢一さんの仲は決して良いものではなかった。 舞ちゃんが行方不明となってから2ヶ月後、母親であるヨシ子さんは当時遊びに来ていた女の子から 決定的証言を聞き出すことに成功した。 その内容は当日の夕方、一緒にテレビゲームをしていた時にKが舞ちゃんに「夜の12時に一緒に遊びに行こう」と言っていというものだ。 両親はその証言を警察でも話したが、「無理に引き出させたもの」として相手にされなかった。 事件から半年以上がたち、賢一さんは自身の会社に勤めていた従業員10人の再就職先を決め、会社をたたんだ。 舞ちゃんの捜索に集中するためである。 賢一さんはKをマークしていた。彼の行動を見張り、Kの家のまわりに舞ちゃんの行方の情報提供を求めるポスターを貼ったりした。 しかし、具体的な手がかりはなにも掴むことが出来ず、ある時、賢一さんはKの顔を見るのも嫌になり、尾行するのをやめたという。 犯人はなぜわざわざ、他の子供達と一緒に寝ている舞ちゃんを危険を冒して連れさらったのだろうか。 しかし、身内をよく知る者としては、この家で暮らす者のうち3人が外出しており、 普段は両親と寝ている舞ちゃんがこの日に限って子供たちと寝ていたのだから、犯行の日としてこれより良い日はなかったのではないだろうか。 大人と違い、子供の眠りは深い。多少の物音を立てても起きることは少ない。 だから、連れ去るには持ってこいの夜だったはずだ。その他の情報
○玄関には、舞ちゃんの靴が残っていた。 ○特殊な家の作りの為、1階と2階に玄関が2つある。 ○普段、舞ちゃんは両親と一緒に寝ていたが、この日は遊びに来ていた子供もいたので、女の子3人で寝ることになった。 ○舞ちゃん達3人が眠っていた寝室は、内側から鍵をかける作りになっており、出入りは制限されるが、 舞ちゃんと一緒に寝ていた女の子の1人が深夜、寝室に男が入って来て、舞ちゃんと雑談している姿を目撃、証言している。 扉越しに男に言われ、舞ちゃん自身が鍵を開け、そのまま連れて行かれた可能性もある。石井舞ちゃんの失踪当時の特徴
身長120cm、体重21kg、中肉。失踪当時7歳。 髪型はショートカットで。額が広く、鼻の右脇に粟粒大のほくろ。笑うとえくぼが出来る。 失踪当日の服装は、横縞の婦人用Ｔシャツ、白色パンツ事件担当警察署
福島県田村警察署：0247-62-2121 メールによる情報提供メールアドレス：joho@police.pref.fukushima.jp URL:http://www.police.pref.fukushima.jp/keisou/johofiles/miharu01.html
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