母の実家の離れ

796 :本当にあった怖い名無し :2008/07/15(火) 03:30:47 ID:BF1JZb0F0
生まれは東京なんだけど。両親が離婚して、 
5歳の頃に、某県中心部にあるの母の実家に移り住んだ。 
歓楽街の中ににあるとても広い旧家で、母屋と、庭を挟んで離れがあった。
俺はその地域に馴染めずに、幼稚園でも友達ができなかったらしい。 
だいたいが家にいて、離れにおもちゃをもっていってたとか。 
(祖父祖母との言葉の違いもあり、家にいても母屋にはいたくなかったようです)

そんな俺を祖母が気になって、後をこっそりつけて見てみると、 
なにやら独り言、というか、まるで誰かに向かって話してる。 
それを気にした祖母が飯時に「いつも何して遊んでるの?」と聞くと、 
俺はかたくなに「教えない」とだけ言っていたとか。 
祖母は、そんな俺の独り遊びの模様を、母に伝えていたそうだ。 
でもそのとき母は、まだ特に気にしていなかったとか。

数日後、祖母がまた、離れでの俺の独り遊びを目撃。 
いきなり現れて、「ちょっと、何を独りでしゃべってんの!」と突撃。 
すると俺はいきなりキレて「おばあちゃんのせいだ!」と言ったとかで。

その一瞬で、祖母の俺を見る目は完全な「おかしい子」になった。 
それでさすがに母も、このままではまずいと思い、俺に聞いたそうだ。 
すると俺は、「あっち(離れ)の部屋には○○さんっていうお姉さんがいて、 
ぼくがおもちゃで遊んでるといつもお話してくるんだよ。 
それで今日はね、おばあちゃんが来たからどっかに行っちゃったんだよ。」と。

その夜に母と祖母、祖父が話をした。 
もともと母の実家は芸者置屋というもので、経営者が店をたたむ時に、 
懇意にしてもらっていた祖父が安く買い取り、一部改築したものだった。 
離れは、若い芸者さんが住んでいたそうで(寮?)、 
どうやら俺の言っていた○○さんは、その若い芸者さんではないかと。 
祖父が不動産から「離れで亡くなった芸者さんがいる」と聞いた記憶があるという。 
(ただ基本的に祖父は霊とか一切信じない人なんで気にしなかったと)
まあそれで、一度離れを見てもらうかということになったらしい。 
それで祖母が、うちが檀家になってるとこのお坊さんを連れてきたそうな。 
いちおう俺もいたほうがいいだろってことだったらしいんだけど、 
坊さんがお経唱えてるときに、いつのまにか俺がぐずぐず泣き出して 
「○○さんが、さようならって言ってる」とか始まったらしい。

俺はこの一連こと、全く記憶にないんだけど。 
その後は、「○○さんはいなくなっちゃったよ」とだけ言ってたらしい。 
だからこの話自体も、家の中では誰もしなくなったそうで。完全に風化。 
数年前にたまたま、祖母と母が思い出して語ってくれて驚いた。 
子供ってのはそういう体験ができるのだろうか。 
後日談もあるので、機会があればまた近日中に。

読んでくれた方、どうもです。 
後日談なのですが、簡単に。
>>796-797の話は帰省したときに母と祖母から聞いたんですが。 
その半年後くらいに、親戚関係の用事でまた帰省する機会がありまして。 
予定がだいぶ早く終わり、うちから徒歩20分ほどにある小料理屋で、 
一緒に用事に参加した従兄弟と2人で飲み始めました。 
そこで、「そうそう、前回帰省したときに聞いた話なんだけどさ」 
みたいな感じで、その芸者さんの話をしたんです。 
まあそれで従兄弟と2人でちょっと盛り上がってきたんですが。

すると、店主がちょこちょこと話に首をつっこんでくる。 
態度がぶっきらぼうな感じだったので、最初はなんとなく 
「こっちが若い客だから、なめられてるかな?」 
みたいな感じがしたんだけど、なんかそうでもなさげで。 
そうしたら店主が、「そっち関係に詳しい人呼ぼうか?」なんて言い出しまして。 
「何を言ってるんだこのオヤジは」と、わけがわからなかったんですけど、 
いきなり電話をかけ、「母さん、ちょっと店出てきてほしいんだけど」と。

結局30分ほどすると、だいぶ年のおばあさんがやってきまして。 
どうやら店主の母は芸事の先生をしていた人で、 
芸者関係の組合(?)にも属していたとか。そこそこの人らしい。 
まあそれで、俺は知っている範囲で淡々と話をしたんです。

そこでわかった話なんですが。 
母の実家は、その以前は、とある実業家が経営していたそうで。 
そのおばあさんはちょくちょく、芸事を教えに行っていたとか。 
離れで亡くなったのは、まだ半人前の芸者さんで、自殺。 
当時、いろいろと苦労があった故のものだと言われたそうです。
ちょうどそれと同時期に経営者に病気が発覚。 
当初は誰かが継ぐという話も出ていたらしいんだけど、 
経営者には、子供・まともな親戚がいなく、店をたたむことにしたとか。 
また、その歓楽街には他にも芸者の店がいくつかあり、 
商売敵に「あそこの芸者は自殺した」という話を広められてしまい、 
風当たりが良くなかったということもあるそうです。

そこで、経営者に懇意にしてもらっていたうちの祖父が 
話をもちかけられて、信じられないほど格安で買い取った。 
祖父は、離れで自殺した芸者さんがいることを承知だったけど 
家族にはごまかしていたってことです。「聞いたことあるかも」みたいな。 
(改築は母屋だけで、ハナっから離れを使う気がなかったのは 
そういうことだったんだとわかりました)

芸者さんの名前は、母と祖母が言ってたのと(俺が言っていたんだけど)、 
そのおばあさんが言ってたのでほぼ合致してるので、 
俺が見たというのはその人に間違いないと思われます。

ここ2年ほどで祖父と祖母が亡くなり、母も再婚したので、 
その家には現在叔父(母の兄、DQNで水商売系)が住んでいるんですが。 
家を大事にしないせいか、不幸続きでどうしようもない状態です。 
最近、俺も県外に居を構えることになったんで、 
その家にはもう近づくこともないかと思います。

駄文な長文をご拝読いただき、ありがとうございましたー。

812 :本当にあった怖い名無し :2008/07/16(水) 01:00:35 ID:jDrhG+Wl0
>>809 
その小料理屋は、歓楽街の外れにあるんですが。 
いつもは飲むといってもすぐ近くしか行かないんだけど、 
その日に限っては、従兄弟が「ひさびさ来たから散歩したい」 
と言い出して、そのついでに入ってみたんですよ。 
だから、従兄弟が一緒でなければわからなかったですね。 
それもまた、後で考えたらほんと不思議です。

>>810 
そうですね、そんなところです。 
ただ、源氏名(?っていうのか芸名?)でした。 
そのおばあさんも90歳超えてるんだけど、 
元気で記憶も明快な印象だったので、合ってると確信してます。

>>811 
成仏についてはどうでしょうね。 
おそらくしてるんだとは思うんだけど…。 
その叔父は、掃除とかしない人で。女がいるんだけど、 
それも一切しなくて、庭にゴミためるようなアホなんです。 
だからどんどん悪いことが起きてます。罰だと思う。

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