ドッペルゲンガー(22)

350 :1/2[sage] :2008/05/17(土) 11:00:28 ID:LKTK4lfLO
幼稚園の時、友達が二人に分裂してた。
うちで私のささやかな誕生日会を開くことになったので、招待状っぽい物を自分で作成。 
トモちゃんという子が「トモモ」と呼ばれていたんだけど、そのあだ名には本人は「やめてよ~も~」といつも言ってた。 
ぽっちゃりして桃みたいな子で、「やめてよ~」が可愛いかったので、皆でよくからかって呼んでた。

私はいたずら心が出て宛名に「トモモちゃんへ」とバッチリ書いて、だめ押しに桃の絵まで書いた。 
明日渡した時の反応を楽しみにしつつ寝た。

次の朝、トモちゃんが2階の教室にいないので探してみると、なぜか何もない1階へ1人で降りていくところを見た。 
「朝の会始まるよ。それとコレ、誕生会来てよ!」ってカードを渡したら 
トモちゃんは「ありがとう」って少しだけ笑った。
「あれ?トモモに反応しないな?桃の絵はやりすぎたかな?」と顔色を伺っていたら、そのまま一階に降りていってしまった。 
元気がなかったし、私は少し反省した。

でも、朝の会が始まってもトモちゃんが来ていない。 
先生が「トモモちゃん(先生も呼んでる)は熱が出たのでお休みです」と言った。 
私は「さっき会った!」と主張したけど、聞いてもらえなかった。

本人は本当に家で寝ていた。 
招待状は1階に落ちていた。 
私は1階には行ってない。

不思議なのが、このときの一連の記憶が、現実のハッキリした色じゃなくて、水色がかった風景でしか思い出せない。 
1階に落ちてた招待状を拾った同級生がこの事を覚えているから、記憶違いではないと思う。

前の話へ

次の話へ