『天気予報』

ソウさん  2008/08/20 07:53「怖い話投稿:ホラーテラー」
いつもと変わらぬ朝だった。

TVのニュースを見ながら朝食と歯磨きをすませ、スーツに着替えてから、7:15から始まる天気予報を確認する。


『続いて、天気予報です。………ガガガ…ギギ……』

んっ?放送事故か?


背景の画面が暗くなり、天気予報士の顔が渦をまいたように歪む。

『今日のあなたの死ぬ確率は5%でしょう』


何っ?


画面が元にもどった。


なんだったんだ?今のは?




その日の通勤途中、前を走っていた車が横転事故を起こした。


偶然だろう。天気予報だって、よく外れるしな。




『本日は晴れ時々曇り、ところにより、人。あなたの死ぬ確率は10%でしょう。』


人?さすがに人は降らないだろう…、まさか…。


ビルの入り口の自動ドアが開いた瞬間、

ダァァァァァン!!!

背後で音がした。
やはり飛び降りだった。



偶然にもほどがある。
さすがに背筋が凍りついた。





『銃警報。あなたの死ぬ確率は30%でしょう』


今日は重要な会議と接待ゴルフだ。休むわけにはいかぬ。



猟銃を持った男がゴルフ場で逮捕された。




毎日、確率が上がっていく。

奇跡的にまだ生きてはいるが、運命とはこういうものなのか?

逆らうことはできないのか?




そして…



『週間天気予報です。週末、核が降るでしょう。あなたの死ぬ確率は99%です』


これはもう、私自身だけの問題ではない。


不老不死でないかぎり、毎日0%なんて人間はいないだろう。

しかし、確率なんぞで人生を決められてたまるか!

絶対にあがいてみせる!








5日後……。

もう、あの不気味な天気予報は流れていなかった。








私は新聞を見ながら、ニヤリと笑った。



『永久平和条約結ばれる』



私は大統領として当然のことをしたまでだ。







世界が平和でありますように……

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