赤い木

458 :エソ ◆0ODRXCXCaY :2006/07/23(日) 05:41:30 ID:8uYkFz2E0
第九十七話、赤い木。 

これは友人の話。 

近所にとても大きな公園がある。 
自殺者木々が豊富なのでかどうかは知らないが、 
数年に一回は自殺があった。 

友人数人はそこで肝試しをすることになった。 
雨が降っていたがいい雰囲気だ、ということで、 
肝試しは行われることとなった。 

公園に着いた一行は、公園の隅々を歩いて回った。 
最後に残ったのは、大池と呼ばれる、 
その名の通りの大きな池だった。 
池に着いた一行のうち、前を行く一人があることに気付いた。 
「あそこにある赤いの、なんだ?」 
指差した先には大木が一本。 
さっきも言ったけど、木々が豊富な公園だから、 
大木の一本や二本、そこら辺に幾らでも生えている。 

しかし、指差した大木は普通のそれと違い、 
幹から葉っぱまで、全てが真っ赤だったのだと言う。 
あまりに異様だったので、一行はそれに近づきしばらく 
じっと見つめていたが、やはり怖くなって逃げた。 
後日確認しに行ったら、その木は跡形も無く消えていたらしい。 

「嘘だぁ」と茶化すと、真顔で怒るので、 
本当にあったのだと自分では信じています。 

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