元祖テケテケ

406 :極・犬バカ:2006/07/23(日) 04:53:23 ID:FoQZfbDT0

妖怪テケテケの話が学校の怪談でありますよね。 
また上半身だけのじじぃが追ってくる話とかって割とポピュラーな話です。 
実はこれらの話って、東北のある雪の多い地方で実際に起きた大もとの話があったんですね。 
雪深い中、線路を軋ませながらラッセル車が駅舎に向かって、ばく進していたそうです。 
その列車には二人の乗員が乗っていました。 
その地方は降雪量が多いうえ、レジャー施設の整っていないとこだったので訪れる人はあまりいなかったのです。 
その当時も例に漏れず乗客のいない列車を暗闇の中ひたすら走らせていました。 

しばらく列車は何事もなく走っていたのですが駅舎に近づいたとき、唐突にヘッドライトがぼんやりと人の影のようなものを映し出しました。 
あっ、と思ってブレーキをかけたのですが間に合うはずもなく、文字どおりあっという間にその人影は列車の下へと飲み込まれてしまったそうです。 
嫌な金切音が辺りに響き渡り、木立を揺らしたかと思うと列車は止まりました。 
驚いた運転手は同乗していたベテランの乗員に人を轢いてしまったことを報告しました。 

そして二人して急いで懐中電灯をさげて外の様子を見にいきました。 
列車の先頭部分を見ると確かに下のスカートの部分に血痕らしきものが付着していました。 
二人は慌てて辺りを探索し、線路脇にコートらしきものをはおった女の人が倒れているのを見つけました。 
その女性が亡くなっていることは一目でわかったそうです。 
下半身がなかったので。 
二人は一応念のため辺りを見渡したそうですが、それはなかったそうです。 

おそらく轢かれたときスカートの部分に下半身が巻き込まれ、すり潰され機械の熱で蒸発してしまったらしいのです。 
実際スカートの所々にそれらしきものがこびりついていたそうです。 
ベテランの乗員は溜め息をつくと若い者に向かって言ったそうです。 

「次の駅はすぐだから歩いていって警察に連絡してくる。ただ、仏さんを残していくのも何だからお前は残っておけ」。 

そうしてベテランは歩いて次の駅に行き、事故のことを警察に知らせたそうです。 
そして彼は若い奴をいつまでも一人にしとくのはかわいそうだと思って、来た道を戻り始めました。 
雪が結構積もっていたこともあって少し時間をとられたけれど、何とかして列車に辿り着くと現場まで行きました。 

しかし、そこに彼の姿はありませんでした。 
えっ、と思って懐中電灯の灯りを周りに向けたけれども遺体もない。 
何かと思ってよく見てみると、まだ新しい足跡と何かを引きずった跡のような広く浅い溝が出来ていました。 
彼は胸騒ぎを覚えて足跡を辿っていくと、若い乗員は電柱にしがみつくような形で絶命していました。 
そして溝は、彼の足跡に寄り添うように彼の所まで続いていましたが、遺体はありません。 
亡くなったと思っていたけど、血管が寒さのあまり収縮して死に切れなかったため、彼に助けを求めたのでしょうか。 
それとも彼が寒さと気味の悪さから狂ってしまい、遺体をここまで引きずってきて何処かに投げ捨ててしまい、ここで絶命したのか。 
それとも死者が生き返って…、とにかく彼が絶命した今では憶測の域でしかものが言えません。 

ただ彼の断末魔の形相は凄まじく、まるで信じられないものを見たような顔だったということと、例の女性の遺体が見つからなかったということ。 
彼の死が新聞の片隅に載ったということだけが事実となって残るのみです 

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