トイレの影

228 :エソ:2006/07/23(日) 01:20:22 ID:8uYkFz2E0
第二十九話。先ずは前編。 

小学校四年の頃の実体験。ある宿泊施設に行った。 
施設ではオリエンテーション等をして過ごした。 
二日目のオリエンテーションの集合の際、 
俺は腹が痛くなってトイレに行った。 
もう集合の声が掛かっていたので、トイレには誰も居ない。 
俺は個室で頑張っていた。 

用が終わろうとしていた時、誰かがトイレに入ってきた。 
しかし足音は聞こえない。 
ドアの下のわずかな隙間から影が見えているだけだ。 
特に気にならなかったので俺は用を終え、ズボンを上げた。 

ふとさっきの隙間を見ると、影がまだそこにあった。 
用を足すには充分すぎる時間。 
個室に入ったなら聞こえるはずのドアの音も聞こえなかった。 
不審に思った俺は、その影に向かって「誰?」と声をかけた。 
すると、影は不意に消えてしまった。 
移動したのではなく、一瞬で消えてしまったのだ。 
そういえば、付き添いのカメラマンがここは出ると言っていたような……。 
びびった俺は急いで個室を出て、皆が居るところまで走った。手は洗った。 

そいでは、後半てか後日談。 

それだけならまだ勘違いで済む話なのだが、 
数年後、オカ板住人なら誰もが知っているであろう番組 
「USOジャパン」の心霊写真館コーナーで、 
その施設で撮れた写真が紹介されていた。 
聞けば、そこではバラバラ殺人二件(二件目は泊まった後)、 
焼身自殺が一件起きていて、 
四年生の時の出来事を勘違いだとは思えなくなってしまった。 

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