火葬

石動さん  2008/06/06 22:52「怖い話投稿:ホラー テラー」
「やっと帰れるよ。」
私は、高校2年生、やっと今部活が終わった所で、帰り道の途中だった。
腕時計を見ると、時間はもう既に午後8時を回っていた。
早く帰らないと。
だけど何か怖かった。
歩いて帰りたくなかった。
歩いて帰るのはいつもの事なのだが、今日は何か歩きたくない気分。多分いつもの私の気まぐれだ。
その気まぐれで、私は電話ボックスに駆け込んだ。そして、電話をかけた。
「母さん?迎えに来てくれないかな?今A町のB通りにいるんだけど?」
もちろん、母の答えはノ―だった。
「もう、何言ってるの。歩いて帰ってきなさい。どうせまた貴方の気まぐれなんでしょう?」
「で・・でも・・。」
「でもも何も無いの。歩いて帰ってきなさい。私は迎えには行かないからね。じゃあね。」
プツン。
ツ-ツ-・・・・。
やっぱり駄目だった。
だから仕方なく私は足を進めた。
いつも通る暗い夜道。いつもと何も変わらないはず。何をそんなに怯えているんだ?私は。
そんなことを思いながら歩いていく。
トントン
肩を叩かれ、思わずビクッとする。
「何ですかッ!!」
少し怒ったように振り向くと、怪しい男。
男は何も言わず、ニヤァと恐ろしい笑みを浮かべながらナイフを振り下ろした。
「キャアアアアアッ!」

―ガバッ
「夢か・・・。」
本当に怖かった。
リアルだった。
「夢でよかった・・・。」
そして、その日も元気に一日を過ごすのだった。

―帰り道
「やっと帰れるよ。」
腕時計を見ると、時間はもう既に午後8時を回っていた。
早く帰らないと。
だけど何か怖かった。
歩いて帰りたくなかった。
歩いて帰るのはいつもの事なのだが、今日は何か歩きたくない気分。多分いつもの私の気まぐれだ。
でも、これはどこかで見たような、聞いたような気がしてならなかった。
その気まぐれで、私は電話ボックスに駆け込んだ。そして、電話をかけた。
「母さん?迎えに来てくれないかな?今A町のB通りにいるんだけど?」
と私が言うと、母は、こんな時間だからね、といって、すぐに迎えに来てくれた。
車に乗る。
「母さん、今日はね・・・?」
母に学校での話をしようとしたとき、帰る道で、呆然とただこっちを向いている男がいた。
私を殺そうとした男・・・!
『夢とはちがうんだよ』

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