狐の呪い

71:本当にあった怖い名無し:2006/04/13(木) 01:47:01 ID:st7/S2O+0

ガチであった話だが大したオチは無い 

俺が小学校のころ(1990年頃か)近所の友人と二人で家に帰る途中。 
初冬の肌寒い日で、曇り空の日で木は枯れた感じ、二人で談笑しながら足早に帰ってた。 
帰る途中、家までもう1kmも無いところで友人が変な人影に気付いた。 

友人K「ねぇ、なんかおるよ」 
俺「え?あ、ほんまじゃ。誰か知らん人座っとるね」 

瀬戸内海の小さな島で、通学路近辺の人間で知らない顔は少ない。 
俺たちはその人の異様な空気に気付いて足を止めた。 
見たところ60~70歳の女性で、髪はぼさぼさでほとんど白髪、 
服装はくすんだ灰色っぽい布切れみたいなもの、とにかくボロボロだった 
文章にするとホームレスに思えるのだけど、田舎のばあさんにはこんなのは多い。 

道の端っこに座っていて、俯いたままブツブツ呟いてる。 
正確には距離があったので、呟いてるのが聞こえたわけじゃ無く 
体が僅かに揺れながら口元が絶え間なく動いているのが見えた。 

友人K「変な人じゃね、あんな人2区におったけ?」 
※2区ってのは地区分けで近所には1~3区まであった 
俺「いや、知らんよ、奥の人じゃないん?」 
俺「まぁえーけぇ、はよ帰ろうや、バスケするんじゃろ?」 
友人K「あ、そうじゃね、あいつらもう行っとるんかもしれんね!」 

そう言ってそれ以降そのばあさんのことは気にせず歩き始めた。 
上にも書いたけど田舎には見た目汚い婆さんなんていくらでもいる。 
バスケの話であーでもないこーでもないと言いながら歩いてるころには二人とも婆さんのことは頭に無かった。 
いや、頭にはあってチラチラ見てはいたけどそれほど気にしていなかった。 

婆さんまでもう2mも無いところまで歩いたところで友人Kの顔が少し引きつった。 
会話は止まったが、足は止めずに二人とも歩いてたのでその理由はすぐにわかった。 

婆さん「祟りじゃ、祟りじゃ、祟りじゃ、狐じゃ、祟りじゃ、狐じゃ(エンドレス」 

婆さんの顔は痩せこけていて、真っ白だった 
怖いのは言葉では無くて、目だった。 
病気か?少し黒目が薄くなっていて、白内障みたいな感じ 
さっきまで俯いてたのに今はこっちを凝視している。 

さすがに怖かったので、友人Kは俺の手を引っ張って早足になった。 

友人K「あれぶちやばくない?」 
俺「やばい、目見た?」 
友人K「なんか白かったねぇ、コワー」 

後ろを振り返ると婆さんはまた俯いてぶつぶつ呟いてた。 
家につくまで10分も掛からなかった 
夕飯時には土砂降りの雨になり、俺は少し婆さんが気になった。 

その日以来、同じ様な人は見たこと無い。 
友人Kも元気にしてるし、俺は大学中退しただけw 
怖い話じゃ無いし、オチなくてすまんよ 
今でも友人Kとはその話したりするよ、年に1回顔合わすくらいだけどね。 

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