知的障害者のムーくん


ゾッとする名無しさん@特選怖い話:2014/08/24 10:36 ID:ac8Rk.GM

小学生の時、同じクラスに知的障害者のムーくんと呼ばれる子がいました(本名は覚えていません)。
ただしいたと言っても、会話もままならない子だったので殆どは知的障害者用の特別学級におり、
遠足や運動会なんかで同じクラスとして一緒にいるといった程度でした。

そんなムーくんなんですが、普段は椅子に座ってずっと両手の指と指を合わせたり、
手に息を吹きかけたりして遊んでいました。
僕はそんなムーくんのことが何を考えているのか分からず、少しだけ怖いなと思いつつも
「何してるの?」とか、「ジャンケンしない?」とか言って話しかけることがありました。

ムーくんは僕のことが見えていないかのように自分の世界に入っていることが普通でしたが、
ある昼休み、よっぽど僕は暇だったのか、特別学級でずっとムーくんに話しかけていた時のことでした。

「ねぇ、話聞いてよ」

「おーい」

「聴こえているんでしょー?」

相変わらずムーくんは手遊びばかりしていましたが、私が
「ほんとは喋れるんでしょ? 知ってるよ」
と言った瞬間、僕の耳元にムーくんが口を寄せ




「 そ れ 以 上 言 う な 」





それから小学校を卒業するまでの間、僕はムーくんの傍に近寄れませんでした。

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